遊びをせんとや生まれけむⅡ

文=中村敦夫

閻魔大王が怒る!

菊池寛の作品を 朗読する

私が理事を務める「日本ペンクラ ブ」は、毎年、特定の自治体と組む形で、「ふるさと文学」というイベントを開催している。その地の出身者で、文学史に大きな実績を残した有名作家を取り上げ、個人史や作品を再検証しようという企画である。
 
二〇一八年秋のタイトルは、「菊 池寛の高松」であった。

菊池寛は、一八八八年、高松生まれ。明治大学、早稲田を経て京大へ進み、在学中に書いた戯曲、『屋上の狂人』『父帰る』などは、後に高い評価を受ける。小説でも『恩讐の彼方に』『真珠夫人』などで大ブレーク し、押しも押されもせぬ流行作家となった。作家としての評価だけでなく、プロデューサーとしても能力が高い。文藝春秋社を興し、芥川賞や直木賞を創設し、文壇の地位を高めた。その絶頂期に、軍部の大陸侵略が始り、第二次世界大戦へと戦線が 拡大した。菊池は自由主義者であったが、リアリストでもあったため、あえて体制支持にまわった。これが原因で、戦後は公職追放の体験を味わうことになる。

さて、高松でのイベントは、三部構成で行われた。第一部は、菊池の生涯を、映像とヴァイオリンの即演奏で紹介。第二部が作品の朗読。 第三部は、五人の作家によるパネル・ディスカッション。

私の役割は、朗読の部だった。作品は『閻魔堂』。菊池が二八歳の時に書き、同人誌「新思潮」に発表された。

……続きはVol.38をご覧ください。

なかむら あつお

元参議院議員、俳優、作 家、脚本家。1940年東京 生まれ。東京外国語大学 在学中に演劇に興味を持 ち、大学を中退、劇団俳優 座に入る。65年にはEWC 奨学生演劇部門試験に合 格、ハワイ大学に留学し、アメリカ社会の研究を する機会を得る。72年に出演したテレビドラマ「木 枯し紋次郎」が空前のブームになりその後数多く のドラマで主演を務める。84年にはテレビ「地球 発22時」でキャスターを務める。現在、日本ペンク ラブ理事、環境委員を務める。著作に『チェンマイ の首』『ジャカルタの目』『マニラの鼻』『ごみを喰 う男』『暴風地帯』『簡素なる国』など。

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