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映画『侍タイムスリッパー』で、2024年の日本映画界をわかせた山口馬木也が 舞台『WAR BRIDE ―アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン—』への思いを語る


 山口馬木也が主演を務めた映画『侍タイムスリッパー』は、2024年8月17日に東京・池袋のシネマ・ロサで一般公開して以来、25年5月31日現在の集計によると280日以上のロングラン上映で、自主制作映画として異例の興行収入を記録している。国内外の映画祭でも、日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、監督・脚本・撮影からドライバーまで1人で11役を担った安田淳一監督も多くの監督賞を受賞し、主演の山口馬木也の名を一躍広く知らしめることになり、結果として山口もブルーリボン賞主演男優賞をはじめ多くの賞に輝いた。山口馬木也の周囲は一気に騒がしくなったという印象だ。

「俳優としての責任感のような思いが、ぼくの中でさらに膨らんだような気がしています。観てくださった方たちの声が、いままで以上に多くぼくの耳に届いてきました。多い分いろんな意見があるわけで、そのことで、俳優という意識がぼくの中で強くなったような気がしています。俳優をやりたくて俳優の仕事を続けているわけですが、いまだに俳優に成りえていない感覚があって、もっとしっかり俳優という仕事を意識して、これまで以上に努めなければいけないという覚悟のようなものが、気持ちの中で大きくなったような気がしています。街を歩いていても俳優・山口馬木也として声をかけてくださる方も増えたことで、想像を超える『侍タイムスリッパー』の影響力の大きさを肌で感じています」と若干の戸惑いをみせながらも、10年後、15年後の自分がどうなっているかを考えるとき、『侍タイムスリッパー』は自分自身のライバルみたいな存在になったと言う。



 山口馬木也という俳優が知られるようになった作品といえば、2003年にスタートしたテレビドラマ「剣客商売」の秋山大治郎役だろうか。


「テレビドラマと並行して舞台版もやらせていただいていましたし、連続ドラマが好評でスペシャルドラマも作られましたので、多くの方に秋山大治郎という役を愛していただけていたようです。7年間くらい演じていましたね。以降、時代劇への出演オファーも増えたような気がします。時代劇ならではの所作、刀の抜き方、歩き方、裾さばきなど、やはり独特ですから、そういうところを時代劇ドラマのキャスティングディレクターの方々が見てくださっていたのかもしれません。
 顔というのもあるかもしれません。あまり普通の役ってやっていないような気がします。舞台でもそうですが、シェイクスピア劇をはじめとする古典劇だったり、時代劇だったりというのが多いですね。日常的なセリフをしゃべる顔じゃないのかもしれないですね(笑)」


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