人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

提供:大阪中之島美術館

佐伯 祐三(さえき ゆうぞう) 
(1898年~1928年)

大阪府西成郡中津村(現・大阪市北区中津)の光徳寺に生まれる。東京美術学校西洋画科卒業後の1923年、パリに向けて日本を出港。翌年初夏、里見勝蔵の紹介で訪問した巨匠ヴラマンクに酷評され、作風を模索する。やがてユトリロに触発され、壁の物質感を厚塗りの絵具で表現したパリの下町風景の連作を展開し、1925年のサロン・ドートンヌで入選を果たす。1926年に一時帰国し、下落合の風景や大阪での滞船の連作を制作するも、日本の風景に飽き足らず、1927年8月にシベリア鉄道経由で再渡仏。パリの街並みを精力的に描き、広告の文字を題材とする繊細で跳ねるような線の表現で、独自の画境に達する。1928年2月に荻須高徳、山口長男らと近郊のヴィリエ=シュル=モラン村へ写生旅行。3月、パリヘ戻ってから体調が悪化し、8月16日、パリ郊外の精神病院で30歳の若さで亡くなった。


『佐伯祐三─自画像としての風景』展

大阪、東京、パリの三つの街に生き、短くも鮮烈な生涯を送った佐伯祐三。1924年に初めてパリに渡ってから、わずか4年余りの本格的画業の中で、都市の風景を題材とする独自の作品を生み出した。繊細で踊るような線描による一連のパリの風景は、画家の代名詞とされた。
日本最大級の質と量を誇る大阪中之島美術館の佐伯コレクションを中心に、画家の代表作が集結した。東京ステーションギャラリーの煉瓦の壁は、佐伯がみたパリの街の壁を彷彿させる。

◆東京会場

会期:2023年1月21日(土)~4月2日(日)
会場:東京ステーションギャラリー(JR東京駅 丸の内北口 改札前)
開館時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで) *入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(3月27日は開館)
入館料:一般 1,400円、高校・大学生1,200円、中学生以下無料
問い合わせ:03-212-2485

◆大阪会場
会期:2023年4月15日(土)~6月25日(日)
会場:大阪中之島美術館 5階展示室
開場時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(5月1日を除く)

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