私の生前整理

「遺品にしておくわ…」

文=上野千鶴子

 

女友だちとの遠慮 会釈ないやりとり

 

おしゃれな女友だちが、周りに多い。 気の利いたものを身につけていると、 ただちに「それ、いいわね」と反応が来る。それに続けて「気に入ったわ、次はわたしにね」と来る。遠慮会釈なく「それ、しばらく着てていいわ」とのたまうお方もいる。ときどき「女遊び」と称して、お洋服の交換会やリサイクル市などをやっていたので、いずれ飽きたら放出してもらえるものと思っているらしい。

美しいもの、きれいなもの、かわいいものが好きだ。それがキライな女はいないと思う。仕事が世の中の問題や矛盾を 暴き立てる社会学という性格のわるい専 門なので、なおさらなのかもしれない。 美しいもの、きれいなものを身につけるとき、女に生まれてよかった、と思う。 「だから、女は…」という手合いには、くやしかったらキミたちも身を飾ってみたまえ、と言いたい。人類が身を飾ってこなかった歴史はないのだから、女が男なみに身なりにかわまなくなるよりは、男が女なみに身なりに気をつけるようになるほうが、 ずっと文明的だし、そちらの可能性が高い。

「それ、いいわね。ちょうだい」 に、最近、新しい返し方を見つけ た。「いいわよ、遺品にしておくわね」 …だから、わたしが早く死ぬように祈ってね、と言いたいわけではない。

……続きはVol.35をご覧ください。

こばやし あせい

作曲・作詞家、俳優、タレント。1932年東京生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。作曲を服部正氏に師事。 CMソング、レナウン「ワンサカ娘」「イエイエ」をはじめ、サントリー「オールド」、明治製菓「チェルシー」、ブリヂストン「どこまでも行こう」、日立「この木なんの木」等ヒットCMを作曲。他にドラマ音楽(向田スペシャル、裸の大将、三匹が斬る他)、歌謡曲、ポップス、アニメ主題歌(狼少年ケン、ガッチャマン、 ひみつのアッコちゃん、魔法使いサリー他)を作曲。73年ピンポンパン体操が 200万枚を超す大ヒット。レコード大賞童謡賞を受賞。75年には向田邦子作のTVドラマ「寺内貫太郎一家」に主演、大好評を得る。古賀賞、中山晋平賞、ギャラクシー賞を受賞し、都はるみ「北の宿から」でレコード大賞を受賞。著書『亜星 流!ちんどん商売ハンセイ記』など多数。

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