箱根彩彩和菓子屋三代目の美学

文=高橋 台一

「箱根のお月さま。」は、小さな子供にも人気のお饅頭

美術や古道具に蒐集癖はお饅頭造りに通じた

 
 明治38年(1905)小田原で創業された和菓子屋の三代目の私には、なぜか幼い頃から美術や古道具に心ひかれ、気に入ると無理をしてでも手に入れてしまう性癖があります。黒田泰蔵の白磁、井上有一の書、沖縄パナリ焼きの蒐集、本の出版、絵、織物、ガラス、やきもの、古道具など。

  良いものは、いい。ホンモノは、いい。 じっと見ているだけで、ホッとするものがありました。茶道の所作の美しさに魅せられ茶器や道具のおもしろさに心がひかれています。今では菓子の商売は息子に四代目を任せて、小田原の創業の地をギャラリー「うつわ菜の花」に模様替えして皆さんに鑑賞していただくことが大きな楽しみです。因みに1年間に25回ほ どの展示会を催しています。

  菓子作りでもとことんこだわって、ホンモノを追求しました。明治から続いた屋号の「菓匠 光榮堂」を「和菓子 菜の花」に思い切って変えさせもらいました。 同時に自分の代でホンモノの温泉饅頭を作ってやろうと思い立ったのです。ところがどっこい、私が納得できるお饅頭を作るのに大変な苦労がありました。たかが饅頭と笑われるかも知れませんが、とにかく美味しい温泉饅頭を作ろうと、良質な素材を、八方手を尽くして集めるこ と、信頼できる生産者探しから始まりました。

 
……続きはVol.43をご覧ください。

「うつわ菜の花」のギャラリーには選りすぐ られた作品が並ぶ

たかはし たいいち

1947年神奈川県小田原市出身、成蹊大学卒業。71年光榮堂入社。83年株式会社 菜の花社長、2018年より会長。「和菓子菜の花」の店舗は小田原、箱根、辻堂、横浜。 「うつわ菜の花」代表。「うつわ菜の花」「箱根菜の花展示室」「菜の花暮らしの道具店」で企画展を開催する。


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