高級住宅街の代名詞といわれる「成城」。国分寺崖線(高台)に連なり、 地盤が強固なことから、大正から戦後にかけて多くの著名人が移り住み、高級住宅街としての歴史を築いてきた街である。
1932年、東宝の前身である P.C.L.(写真化学研究所)が成城に撮影用の大ステージを建設し、東宝撮影所、砧撮影所などと呼ばれた。以来、成城の地には映画監督や、スター俳優たちが居を構えるようになり、昭和の成城の街はさしずめ日本のビバリーヒルズといった様相を呈していったのである。
街を歩けば、三船敏郎がゴムぞうりで散歩していたり、自転車に乗った司葉子に遭遇するのも日常のスケッチだった。
成城に住んだキラ星のごとき映画人たちのとっておきのエピソードをコモレバWEBでは、「成城シネマトリビア」と題し高田雅彦氏に36回にわたって連載していただいた。「成城」は、昭和の銀幕散歩ができる街である。
さて、世田谷区立郷土資料館では、2024年10月26日(土)~12月16日(月)の期間、成城学園移転の前後から現在に至るまでの成城100年の歴史を紹介する「成城の歩み100年」が開催される。
11月6日(水)、16日(土)、11月20日(水)、12月1日(日)には、成城学園によるまちづくりの歴史や近代建築、まち並みを解説しながら巡るイベント「成城探訪」、11月10日(日)には、ミニシンポジウム「近現代のまちづくりと住民─学園都市・成城を事例に─」郷土資料館資料室で開催される。成城の街歩きを楽しんでみよう。