24.02.14 update

東京藝術大学大学美術館「大吉原展 江戸アメイヂング」

 江戸吉原の遊廓は幕府公認であり、約10万平方メートルにも及ぶ広大な敷地を構え、公界としての格式と伝統を備えた場所でした。武士であっても刀を預けるしきたりを持ち、洗練された教養や鍛え抜かれた芸事で客をもてなし、季節ごとに町をあげて催事を行いました。約250年続いた江戸吉原は、常に文化発信の中心地でもあったのです。

▲喜多川歌麿《吉原の花》寛政5 年(1793)頃  ワズワース・アテネウム美術館 Wadsworth Atheneum Museum of Art, Hartford. The Ella Gallup Sumner and Mary Catlin Sumner Collection Fund

 本展では、菱川師宣、英一蝶、喜多川歌麿、鳥文斎栄之、歌川国貞、葛飾北斎、酒井抱一、高橋由一、鏑木清方らの作品が一堂に会し、風俗画や美人画を紹介しながら江戸時代の吉原の変遷を辿ります。本展開催の礎になった、高橋由一の重要文化財《花魁》(1872年)が、修復後、初めて展示されます。

▲高橋由一《花魁》[重要文化財] 明治5年(1872) 東京藝術大学

 また、ワズワース・アテネウム美術館から日本に里帰りする喜多川歌麿の《吉原の花》のほか、大英博物館が所蔵する喜多川歌麿、歌川国貞、鳥文斎栄之、鳥居清長、勝川春潮らの名作の数々も展示されます。3 メートル四方の巨大ミニチュアワールド「三浦屋」と辻村寿三郎の江戸風俗人形の展示などもあわせ、江戸の文化・吉原の全貌を知ることのできる展覧会です。

大吉原展 江戸アメイヂング
■会期:2024年3月26日(火)~5 月19 日(日)*会期中、展示替えがあります。
〔前期:3 月26 日(火)~4 月21日(日)、後期:4月23日(火)~5月19 日(日)〕
■会場:東京藝術大学大学美術館(東京都台東区上野公園12-8)
■観覧料(税込):当日券 一般 2,000 円  高校・大学生 1,200 円
■開館時間:午前10 時~午後5 時(入館は閉館の30 分前まで)
■休館日:月曜日(ただし4 月29 日(月・祝)、5 月6 日(月・振休)は開館)、5 月7 日(火)
■問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
■展覧会公式ホームページ:https://daiyoshiwara2024.jp/

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