22.04.29 update

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅱ『光陰礼讃 モネからはじまる住友洋画コレクション』

 住友コレクションの一角をしめる近代洋画は、住友吉左衞門友純(春翠)が、明治30年(1897)の欧米視察中のパリで、モネの油彩画2点を購入したことから始まった。このとき購入した西洋絵画などを、明治36年に完成した住友須磨別邸(洋館)の各部屋の用途や性格に応じた絵を飾ることになったのである。

クロ-ド・モネ《モンソ-公園》1876年 Claude Monet Monceau Park 泉屋博古館東京 油彩・キャンバス 56.0×69.5 

 収集にあたってはパリ留学を支援していた洋画家・鹿子木孟郎が仲介役を果たし、ジャン=ポール・ローランスなどフランス・アカデミーの古典派の絵画も住友に届けられた。そのため、住友洋画コレクションには、19世紀末の印象派と古典派の作品がともに揃っているという特徴がある。

鹿子木孟郎《ノルマンディーの浜》1907年 Kanokogi Takeshiro Beach in Normandy 油彩・キャンバス 164.0×219.0(cm)

 本展では、19世紀フランス絵画を光を求めた印象派と、陰影を追求した古典派という二つを「光陰」と捉え、近代洋画の数々が展示される。

 また、浅井忠をはじめ藤島武二、和田英作、岡田三郎助、山下新太郎など花形作家の代表作や、20世紀パリで活躍したルオー、ピカソ、シャガールなどの作品や、日本で活躍した坂本繁二郎、岡鹿之助、小磯良平などが、絵画史の流れに沿って紹介される。

岡田三郎助《五葉蔦》1909年 Okada Saburosuke Virginia Creeper 泉屋博古館東京 油彩・キャンバス 58.0×48.5(cm)

展覧会名:泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅱ
     光陰礼讃モネからはじまる住友洋画コレクション
会期:2022年5月21日(土)~7月31日(日)
開館時間:11:00~18:00※金曜日は19:00まで開館※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日※7月18日(月)は開館、翌19日休館。
入館料:一般1,000円(800円)、高大生600円(500円)、中学生以下無料
※20名様以上の団体は()内の割引料金
※障がい者手帳ご呈示の方はご本人および同伴者1名まで無料

会場:泉屋博古館東京(東京都港区六本木1-5-1)
HP:https://sen-oku.or.jp/tokyo/
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)



新着記事

  • 2025.05.15
    江戸歌舞伎を代表する名家「音羽屋」の父子揃っての襲...

    5月29日~6月30日

  • 2025.05.15
    「出前一丁」「かに道楽」などのCMソングで知られる...

    北原謙二「ふるさとのはなしをしよう」

  • 2025.05.14
    喜多川歌麿の幻のシリーズ「婦人相学十躰 ポッピンを...

    5月20日から特別公開

  • 2025.05.13
    500mlの天然水+伏流水の緑茶の売上げの一部を寄...

    「箱根の森から 天然水」

  • 2025.05.09
    特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」観...

    応募〆切:5月20日(火)

  • 2025.05.08
    ヴァイオリニスト葉加瀬太郎のもう一つの顔、画家デビ...

    5月14日(水)~26日(月)

  • 2025.05.08
    【特集】江戸時代の〝メディア王〟蔦屋重三郎の仕事─...

    文=米谷紳之介

  • 2025.05.08
    東大卒の銀行マンにして、謎のシンガーが表舞台に出る...

    小椋佳「めまい」

  • 2025.05.02
    オレオレ詐欺に立ち向かうおばあちゃんを描いたスロー...

    6月6日(金)全国公開

  • 2025.05.01
    劇的な近代化の変貌を遂げていく中国に生きる男女の繰...

    5月9日(金)全国順次公開

映画は死なず

特集 special feature  »

<特集>今、時代劇が熱い! 第三弾 主演北大路欣也が語る「三屋清左衛門残日録」~時代劇にはまだまだ未来がある~

特集 <特集>今、時代劇が熱い! 第三弾 主演北大路欣也が...

藤沢周平原作時代劇「三屋清左衛門残目録」の章

わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の  「芸業」

特集 わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の 「芸業...

棟方志功の誤解 文=榎本了壱

VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いなる遺産

特集 VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いな...

「逝ける映画人を偲んで2021-2022」文=米谷紳之介

放浪の画家「山下 清の世界」を今。

特集 放浪の画家「山下 清の世界」を今。

「放浪の虫」の因って来たるところ 文=大竹昭子

「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

特集 「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

「いい顔」と「いい顔」が醸す小津映画の後味 文=米谷紳之介

人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

特集 人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

わが母とともに、祐三のパリへ  文=太田治子

ユーミン、半世紀の音楽旅

特集 ユーミン、半世紀の音楽旅

いつもユーミンが流れていた 文=有吉玉青

没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、展覧会「萩原朔太郎大全」の旅 

特集 没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、...

言葉の素顔とは?「萩原朔太郎大全」の試み。文=萩原朔美

喜劇の人 森繁久彌

特集 喜劇の人 森繁久彌

戦後昭和を元気にした<社長シリーズ>と<駅前シリーズ>

映画俳優 三船敏郎

特集 映画俳優 三船敏郎

戦後映画最大のスター〝世界のミフネ〟

「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の流行歌 

昭和歌謡 「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の...

第一弾 天地真理、安達明、久保浩、美樹克彦、あべ静江

故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・木下惠介のこと

特集 故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・...

「つつましく生きる庶民の情感」を映像にした49作品

仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監督の信念

特集 仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監...

「人間の條件」「怪談」「切腹」等全22作の根幹とは

挑戦し続ける劇団四季

特集 挑戦し続ける劇団四季

時代を先取りする日本エンタテインメント界のトップランナー

御存知! 東映時代劇

特集 御存知! 東映時代劇

みんなが拍手を送った勧善懲悪劇 

寅さんがいる風景

特集 寅さんがいる風景

やっぱり庶民のヒーローが懐かしい

アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

特集 アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

60年以上にわたる創造の全貌

東京日本橋浜町 明治座

特集 東京日本橋浜町 明治座

江戸薫る 芝居小屋の風情を今に

「芸術座」という血統

特集 「芸術座」という血統

シアタークリエへ

「花椿」の贈り物

特集 「花椿」の贈り物

リッチにスマートに、そしてモダンに

俳優たちの聖地「帝国劇場」

特集 俳優たちの聖地「帝国劇場」

演劇史に残る数々の名作生んだ百年のロマン 文=山川静夫

秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

特集 秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

役柄と素顔のはざまで

秋山庄太郎ポートレートの美学

特集 秋山庄太郎ポートレートの美学

美しきをより美しく

久世光彦のテレビ

特集 久世光彦のテレビ

昭和の匂いを愛し、 テレビと遊んだ男

加山雄三80歳、未だ青春

特集 加山雄三80歳、未だ青春

4年前、初めて人生を激白した若大将

昭和は遠くなりにけり

特集 昭和は遠くなりにけり

北島寛の写真で蘇る団塊世代の子どもたち

西城秀樹 青春のアルバム

特集 西城秀樹 青春のアルバム

スタジアムが似合う男とともに過ごした時間

「舟木一夫」という青春

特集 「舟木一夫」という青春

「高校三年生」から 55年目の「大石内蔵助」へ

川喜多長政 &かしこ映画の青春

特集 川喜多長政 &かしこ映画の青春

国際的映画人のたたずまい

ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

特集 ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

監督と女優の二人三脚の映画人生

中原淳一的なる「美」の深遠

特集 中原淳一的なる「美」の深遠

昭和の少女たちを憧れさせた中原淳一の世界

向田邦子の散歩道

特集 向田邦子の散歩道

「昭和の姉」とすごした風景

あの人この人の、生前整理archives

あの人この人の、生前整理archives
読者の声
Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial
error: Content is protected !!