22.11.24 update

写実絵画の殿堂、ホキ美術館で開催中「Let’s Travel ! 絵の中を旅しよう! 展」の楽しみ方

 写実絵画専門美術館として、2010年に千葉市緑区に開館した「ホキ美術館」。森本草介をはじめ、野田弘志、中山忠彦など、約60名の現代作家による写実の名品約120点が常時鑑賞できる美術館である。

 11月18日(金)~2023年5月21日(日)の期間、企画展「Let’s Travel! 絵の中を旅しよう!展」が開催される。なかなか旅に出られないこの時期、絵画の鑑賞を通して旅をしようというこの企画では、大畑稔浩「仰光 ─ 霞ヶ浦」、青木敏郎「プロバンスの農家」、中西優多朗「夜の鴨川」、森本草介「VÉZELAY」などの作品が展覧され、国内外の風景を絵画で楽しむことができる。

大畑稔浩「仰光 – 霞ヶ浦」2008年

 日本には、はっきりとわかる四季があり、四季の移り変わりは時の流れそのもの。大畑稔浩の「仰光─霞ヶ浦」は、霞ケ浦の水面と空を描いているが、二次元で時が止まった絵でなく、時を含んだ作品だ。

森本草介「VÉZELAY」2010年

 フランス中部ブルゴーニュ地方にあるヴェズレー。森本草介の「VÉZELAY」は、ヴェズレーの丘の広がりを横長にした構図で描いた。モデルとなったこの風景は「ヴェズレーの教会と丘」という名で1979年にユネスコの世界遺産に登録されているが、絵をみているとそのうちに行きたいという憧れにも似た気持ちがわいてくる。

 そして「第4回ホキ美術館大賞展」が、同時開催される。(会期:11月18日(金)~2023年2月27日(月))「ホキ美術館大賞」は、3年に一度開催される40歳以下を対象にした公募展である。これから10年、20年後の成長が期待される作家たちの作品が並ぶ。なお、本展では1月30日(月)まで来館者による投票があり、特別賞が選出されるという企画もある。自らの目で未来の作家を発掘してみたいものだ。

 また、不定期で画家や専門家を招いてのギャラリートークも開催される。
 ホキ美術館へは、JR外房線「土気駅」から路線バスが便利、お問い合わせは、℡043-205-1500。

 

 

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