ソーシャルワーカーとして他人を助ける仕事に奮闘し、13 歳の娘とブルックリンに暮らすシングルマザーのシルヴィア。若年性認知症による記憶障害を抱え、弟と姪からの世話を受けながら生活しているソール。それまでは何の接点もなかったそんなふたりが、高校の同窓会で出会う。様々な出来事が重なり合い、ソールの姪からの依頼で、彼の家族が出かけている間、シルヴィアがソールの面倒を見ることになる。ソールの穏やかで優しい人柄と、抗えない運命を与えられた哀しみに触れる中で、彼に惹かれていくシルヴィア。だが、彼女もまた過去の傷を秘めていた──。
人には誰しも、もう二度と立ち直れないかもしれないと思う時がある。暗い夜がいつかは明けることなど信じられず、降り続ける雨の中、太陽の光も思い出せない。そんな日々を送っていたふたりが、何かに導かれるように出会い、互いの存在を肯定し、そばに寄り添い、背負ってきた荷物を分け合い、生きる喜びに目覚めていく。それでも追いかけてくる過去の影を断ち切り、新たな人生と希望を見つけ出すまでを描き、観る者の心を温かく抱擁する愛のヒューマンドラマ。
監督はメキシコの俊英ミシェル・フランコ。シルヴィアを演じるのは、『タミー・フェイの瞳』でアカデミー賞® 主演女優賞、『ゼロ・ダーク・サーティ』でゴールデン・グローブ賞ドラマ部門女優賞を受賞したジェシカ・チャステイン。名実ともにハリウッドのトップスターのひとりとなった彼女が、自ら街のショップで衣裳を選び、ヘアメイクを施し、人間関係に葛藤しながらも何とか前へ進もうともがくシルヴィアへと転身した。
数日前・数分前の記憶が消えてしまい、自分のとった行動の理由も見失ってしまうソールには、『ニュースの天才』で数々の賞に輝いたピーター・サースガード。残酷な運命が、それでも少しだけ残してくれた遠い記憶を慈しみ、亡き妻との思い出の曲を繰り返し大切に聴き続けるソールを情感豊かに体現し、本作でヴェネツィア国際映画祭男優賞を受賞した。
舞台は最先端のアートとカルチャーが生まれ、多種多様な人々の活気で溢れ、いつの時代も魅力を放ち続ける街、ニューヨーク。ブルックリンの街並み、地下鉄、マッカレン公園など、ニューヨークの今の素顔が映し出される。
ソールのお気に入りの曲として、テーマ曲のように何度も流れる楽曲は「青い影」。イギリスのロック・バンド、プロコル・ハルムのデビュー曲で、全世界で1000 万枚以上を売り上げた大ヒット曲。ジョン・レノンが「人生でベスト3 に入る曲」と語り、日本でも松任谷由実や山下達郎が影響を受けたと公言している。1967年のリリースから半世紀を経た今も色褪せないエモーショナルな旋律が、登場人物た
ちの心情を際立たせる。
あの歌を憶えている
2025年2月21日(金)より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開
© DONDE QUEMA EL SOL S.A.P.I. DE C.V. 2023
配給・宣伝:セテラ・インターナショナル
公式サイト https://www.memory-movie-jp.com
『あの歌を憶えている』トーク付試写会
会場:ユーロライブ(東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
日時:2月12日(水)
時間:18:30開場/19:00開映
トーク:20:45~21:15
ご招待:5組10名様
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応募〆切:2月3日(月)12:00迄
*当選者にはメールにて招待状をお送り致します。