人生百年時代――とはいえ、老いさらばえて100歳を迎えたくはない。
健康で生気みなぎるような日々を過ごせてこそ、ナイス・エイジングだ!
西洋医学だけでなく東洋医学、ホメオパシー、代替医療まで、
人間を丸ごととらえるホリスティック医学でガン治療を諦めない医師、
帯津良一の養生訓は、「こころの深奥に〝ときめき〟あれ」と説く。
帯津良一・87歳のときめき健康法
文=帯津良一
長野県の飯綱高原にSなるホリスティックスペースがある。幹線道路を挟んだ白樺林のなかに、いくつもの建物が点在している。その北側には広い自然農法の畑が拡がっている。その建物の多くが宿泊設備を備えていて、全体ではかなりの人数を収容することができる。
そこのご主人の奥さんが、発足したばかりの日本ホリスティック医学協会に属していて、ここで30年くらいにわたって、ホリスティック医学関係の催しの数々がおこなわれてきたのである。かく言う私も30年ほど前から、「養生塾」なる催しを担当して来たのである。3~4日間の日程で、早朝の林の中での練功、講演、車座交流会、懇親会などが行われるのである。そして、この間の食事は酵素玄米の主食に、隣の自然農法の畑でとれた新鮮な野菜と日本海の魚介類。晩酌が無くては生きていられない私だけ、夕食に限って別室でステーキで一杯という具合である。
最盛期は年に5~6回、一回の人数も20~30人と賑わったものだったが、コロナ禍のためにしばらくお休みしたあと、この9月に久しぶりに開かれ、3日間の日程で参加は12~13人。男性は一人だけで、あとはすべて女性。私好みの色気のある会ではあった。
そこで、私の講演のなかで、「第5回 キャサリンの外鼻孔」で述べた、
〝女性の色気は外鼻孔にあり〟
について触れたのである。そして、この事をさらに強調するために、世界一の外鼻孔はアメリカ人女優のジェーン・ラッセルのあの抓まれたような形の鼻であり、いつの日か、あの鼻を抓まんでみたいと述べたのである。彼女はたしか1921年生まれであるから、すでに幽明界ゆうめいさかい)を異(こと)にしていると思いながらである。
そして懇親会の折、私好みの中年の女性が、
「私の鼻はいかがですか。抓まんでみたいと思いません?」
と言う。そこで、すかさず彼女の鼻を抓まんでみたのである。ジェーン・ラッセルほどではないが、じつに好い感じであった。
そして、今回の人々はホメオパシーに対する関心が高く、彼女を含めて、ほとんどの人がホメオパシーの処方を受けて帰路についたものである。そして、またそのほとんどの人が継続を希望して川越の病院を受診。鼻を抓まんだ彼女も11月中旬にやって来た。
診察所に入って来るなり、
「はい。これ!」
と2枚の写真を差し出すではないか。なんと鼻を抓まんでいる写真である。ほのぼのとした気持ちになったものである。
おびつ りょういち
1936年埼玉県川越市生まれ。東京大学医学部卒業、医学博士。東京大学医学部第三外科に入局し、その後、都立駒込病院外科医長などを経て、1982年、埼玉県川越市に帯津三敬病院を設立。そして2004年には、池袋に統合医学の拠点、帯津三敬塾クリニックを開設現在に至る。日本ホリスティック医学協会名誉会長、日本ホメオパシー医学会理事長著書も「代替療法はなぜ効くのか?」「健康問答」「ホリスティック養生訓」など多数あり。その数は100冊を超える。現在も全国で講演活動を行っている。講演スケジュールなどは、https://www.obitsusankei.or.jp/をご覧ください。