セガもアミューズもヒットしたことによって、パート2を! という気運もあり考えた。
元々、短編への造詣も乏しく、同じこともやりたくない。短編の原点とも言うべき、将来の長編監督を目指す、例えば助監督でも良いかもしれないし、業界外でも良いかもしれない、そういう人にチャンスを……。
しかし、なかなか意見が纏まらず『Jam Films 2』と『Jam Films S』が同時並行で進む形になってしまう。
『Jam Films 2』(2004)のコンセプトは、映画業界外のPVの旗手などから監督を選んだ。小島淳二監督は<L’Arc~en~Ciel(ラルク アン シェル)>や<KIRINJI(キリンジ)>のPVや「ニュースステーション」のオープニングなどを手掛けていた。主演はラーメンズ。高橋栄樹監督は久保田利伸、GLAYなどのPVの旗手。韓英恵や麻生久美子さんに出演してもらった。丹下紘希監督は<Mr.Children(ミスター・チルドレン)>の多くのPVを手掛けていてトップランナーだった。井上秀憲監督は異色だったが、4人に新進の映画監督として音楽に拘った短編映画を創ってもらった。
一方『Jam Films S』(2005)は『Jam Films』の7人の監督たちが推薦する「これから期待する人」を選んでもらった。助監督や、異業種からも。行定監督は手島領監督、岩井監督は原田大三郎監督、篠原監督は阿部雄一監督、北村監督は高津隆一監督、望月監督は石川均監督、堤監督は薗田賢次監督、飯田監督は浜本正機監督になった。藤木直人さんや内山理名さん、石原さとみさん、再び綾瀬はるかさんにも出演してもらった。
『Jam Films 2』『Jam Films S』で監督をしてもらった人は、その後各分野で活躍中である。
しかし、やや実験的な要素が大きく、元々、エンタテインメント作品を目指していたパート1と比較すると、観客も戸惑ったのではないか。実際に、興行も芳しく無かった。やはり、実験的な短編に、長編と同じ料金で観に来てもらうのはとてもハードルが高いことは学習できたと思う。
3回やってみて、このコンセプトでの継続は難しくなった。ただ、何か短編で、ある程度の商業性を持つ映画製作は無いかと色々考えてみた。