文&写真 上田 尚也 (東京都稲城市)
京王線は柴崎駅のすぐそばにあるジャズ喫茶「さくらんぼ」。マスターは、昔、ダン池田とニューブリードに所属していて、それからフリーのスタジオミュージシャンになったトロンボーン奏者の岡田澄雄さん。70年代、80年代に活躍したアーティストのほとんどのレコーディングに岡田マスターは参加している。
ボクがさくらんぼに通い始めたころ、「何かマスターが参加している曲をかけてください」とお願いしたら、マスターがキャンディーズをかけてくれた。ボクはバリバリ鳴り響くブラスサウンドに圧倒されて、音楽は耳で聴くものではなく体全体の皮膚で聴くものだと実感したのだ。それがきっかけでボクはキャンディーズが好きになった。
マスターは時折、「夜のヒットスタジオ」の思い出も語ってくれる。昭和の芸能界が華やかだった時代に想いを馳せることができる唯一の喫茶店だと思う。