2000年に公開された深作欣二監督『バトル・ロワイアル』。近未来の日本を舞台に、法の下で殺し合いを強いられる中学生たちのサバイバルを描いた作品で、目を覆うような残虐なシーンも話題となり、中学生による鑑賞を制限するため、R-15指定となった。不条理な状況に置かれた中学生たちの極限の感情を、藤原竜也、安藤政信、高岡蒼佑、塚本高史、前田亜季、栗山千明、柴咲コウらが豊かな感性で演じ切り、この作品でステップ・アップし俳優としての成長を遂げている。現在も第一線で活躍している彼らの22年前の姿を画面の中で、今一度観てみたい。藤原竜也はブルーリボン賞新人賞を受賞している。蜷川幸雄に見いだされた舞台『身毒丸』で才能を開花させた藤原が、映像作品でも魅力を放った映画としても記憶される。柴咲コウも、本作と『GO』で、日刊スポーツ映画大賞新人賞を受賞している。ちなみに、安藤政信は、当時すでに25歳だった。また、狂気をはらんだ冷徹な教師を演じたビートたけしも、大いに話題となった。『仁義なき戦い』シリーズをはじめ、暴力衝動を通して、時代のリアルな青春群像を描いてきた深作監督による、この作品もまた青春群像映画と言えるかもしれない。ブルーリボン賞作品賞にも輝いた。©2000「バトル・ロワイアル」製作委員会