今年もツツジが咲き誇る山のホテルへ、ようこそ!

文=小田急 山のホテル 支配人 国枝大輔


ツツジの庭園、100年先を見つめて

 箱根・芦ノ湖畔の「山のホテル」といえば、ピンクや白のツツジやシャクナゲが咲き誇る庭園を思いうかべる方が多いと思います。ここを別荘としていた三菱四代目社長の岩﨑小彌太男爵の時代から続くもので、箱根の初夏の風物詩とも言われるようになりました。庭園は大切に守られて来ましたが、7年前の2月の大雪で、大切なツツジの枝が折れてしまうという出来事がありました。そこで2015年より「男爵の100年ツツジ 100年先への挑戦」という庭園再生の100年プロジェクトを立ち上げて専門の先生に品種の調査と希少品種の苗の再生・移植を依頼したのです。ところがその時に30種3000株のはずのツツジが、70種を超える品種があることが判明したのです。まさに怪我の功名で、希少価値のあるツツジの庭園であることをお伝えしたいと思います。

「山のホテル」は、1948年、岩﨑小彌太の別荘跡地に誕生し、爾来70年を超えて国内外からの著名なお客さまが来館されています。1968年にはアラン・ドロンさんが来館され、一躍話題になったこともありました。1978年にはスイスのレマン湖のほとりに建つ古城をイメージした現在の外観に生まれ変わり、本格リゾートホテルとして再スタートしましたが、スパやレストランなど時代に合わせたリニューアルも重ねてきました。

芦ノ湖を臨むラウンジ「マントルピース」では新型コロナウイルスの対策のため、ソファーの間隔を開けゆったりとした配置に。

 私は1996年に入社し、本厚木にある「小田急厚木ホテル(現小田急ステーションホテル本厚木)」に配属され現場でのサービスからホテルマンとしての第一歩を踏み出しました。その後グループホテルのセールス、マーケティングや広報宣伝など多くの部門を経験し、14年前に「山のホテル」に赴任しました。

そこで宿泊、料飲部門を経験し、副支配人を歴任。4年前にいったん本社に異動し、総務の立場でグループホテルのすべてを統括し、ちょうどコロナ禍の真っ只中の1年前に支配人として戻ってきました。これまで培った経験からグループのホテルの特徴は全て把握していますが、「山のホテル」は当社の基幹ホテルと言っても過言ではなく、伝統的なホテルの責任者としての緊張感をあらためて感じています。

箱根町に愛されるホテルとして

「山のホテル」には毎年決まった季節に訪れるような固定ファンも多くいらっしゃるのですが、近年は団体客が減り個人志向の旅を好まれるお客さまが増えています。と同時にお客さまの高年齢化も進む傾向にあり、スタッフも若返りを図って、若い世代のお客さまに喜んでいただけるよう取り組んでいます。昨年のコロナ禍は打撃も大きかったのですが、「Go Toトラベル」のキャンペーンで、「一度は泊まってみたい憧れのホテル、でも敷居が高くてあきらめていた」というような新たな客層の方たちに来ていただけたという効果もありました。

 まだ、諸手を挙げて「箱根に来てください」とは言えませんが、一昨年小田原箱根商工会議所の若手メンバーが立ち上げた、「#はこねすきプロジェクト」に参加し、昨年4月の緊急事態宣言解除後、気持ちよく箱根にいらしていただけるよう、箱根湯本や乙女峠など箱根の入り口の清掃活動にも参加しています。

「箱根で生まれ育ち学んだ皆様が、誇りに思える魅力ある町になるように、私たちホテルスタッフも日々努力しています。将来「箱根」の発展のために皆様と一緒に働ける日を楽しみにしております」とメッセージが添えられた。

 また、6年前から箱根町一貫教育の取り組みの一つとして箱根町内の小学校の卒業記念会を当ホテルで行っています。今年はコロナ禍のため中止なってしまいましたが、小学校の卒業生たちにはお祝いの気持ちをこめて『サロン・ド・テ ロサージュ』の特製菓子にメッセージカードを添えて贈りました。

 コロナ禍だからできることもあると思います。こういう時期だからこそ、ここで働くスタッフの心のケアを最優先して、じっくりサービスの質を高める教育をしていかなければいけないと考えています。社員は最大の財産です。彼らの心の豊かさがおもてなしの気持ちをつくるのだと思っています。5月の庭園が満開の頃、多くのお客さまをお迎えすることができるよう、おもてなしの心をスタッフとともに培っていきます。

くにえだ だいすけ
1973年生まれ。1996年国際観光㈱(現㈱小田急リゾーツ)入社。2020年4月1日より現職。(2021年3月11日撮影)

小田急 山のホテル
神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80
℡.0460-83-06321

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