24.07.03 update

生田斗真が美しさを武器に天下取りを目論む悪役を演じる生誕39年の記念公演に盟友・中村倫也が参戦、バディを組む いのうえ歌舞伎『バサラオ』

 劇団✩新感線の最新作いのうえ歌舞伎『バサラオ』は、劇団✩新感線の44周年興行であり、生田斗真生誕39年を記念してのサンキュー公演であり、さらに、新感線40周年興行であった2020年4月、新型コロナウイルス蔓延の影響で涙を飲んで生田斗真主演『偽義経冥界歌』の全公演を断念し、「必ず帰ってこよう!」と誓った博多座へのカム・バック公演でもあり、エンタテインメントの殿堂である東京・明治座への初進出公演でもある。

 演目の『バサラオ』は、ヒノモトと呼ばれる国の南北朝を彷彿とさせる時代を舞台に、自分自身の美しさを武器に天下取りを目論む男、そんな男の参謀としてバディとなる謎多き男、そしてイキすぎた自分の信念のために裏切り、裏切られる人々の物語。コロナ禍以降、意識的に明るい作品を上演してきた新感線が、久々に楽しいばかりではない、今までとはひと味違ったダークなトーンの作品を上演するということだ。とはいえ、物語はキッチリと展開しつつ、ショーの要素もふんだんに盛り込み、歌って、踊って、ガッツリショーアップした、新感線ならではのエンタテインメントをみせてくれるらしい。

 主役のおのれの美貌を武器に天下取りという野望を持つヒュウガを務めるのは、生田斗真。新感線の舞台には、2002年、17歳のときに『スサノオ~神の剣の物語』で初参加以来、16年の『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』など今作で5作目の参加となる。これまでの新感線の舞台では、おバカでチャラい役を演じてきたが、今回は、クールで極悪非道な、とんでもない悪役を演じる。そして、今回初めて新感線の舞台で、古田新太と相まみえることになる。「17歳で初めて参加したときの緊張感と、舞台に立てる喜びを改めて教えていただける」と言い、「しかも生田斗真39(サンキュー)公演なるすてきな名称まで作っていただき、感謝に堪えない、その思いをすべて舞台にぶつける」と新たな意欲を見せる。今回の公演期間中に40歳の誕生日を迎える。

 ヒュウガの参謀としてバディを組み、共に天下取りを目論むも、なにやら一筋縄ではいかない謎の男・カイリを演じるのは、『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』で共演以来、プライベートでも生田と親交が深い中村倫也。21年に座長を務めた『狐晴明九尾狩』以来、新感線には3度目の参加となる。11年のいのうえひでのり演出の『ロッキー・ホラー・ショー』で、古田と舞台共演はしているが、生田同様、新感線の舞台での古田と一緒の舞台に立つのは、今回が初めてである。生田はかつて共演した舞台での中村との対峙シーンで、「反射的にヤバイ、飲まれる、本気でぶつかっていかないとやられる、と気合を入れさせてくれる俳優で、その感覚を味わえたのが、すごく嬉しかった」と中村の俳優としての資質を語っている。その中村は「今回は少数精鋭の客演のひとりとして、クレバーに暴れ回りたいと思います! 今年の夏秋は楽しみしかない!」静かな物言いの中にも、今作に参加する喜びをにじませる。

 さらに、21年の『月影花之丞大逆転』に参加し、躍動感のある演技で新境地を拓いたと言われる西野七瀬は、今作では古田演じるゴノミカドの守護役アキノとして、アクション満載の演技で、さらなる新たな一面を披露してくれるだろう。生田と同じく『偽義経冥界歌』では、悔しい思いを共有しており、本作で新感線3度目の参加となるりょうは、男丈夫な姐御キャラで、「大暴れする準備はできています!」、と迫力あるアクションにも果敢に挑む女大名サキドを演じる。りょうの佇まいや風貌、醸し出す雰囲気は、新感線の舞台の空気感と毎回ピタッとはまる。そして、自分勝手で好戦的なキタタカを演じる粟根まこと、ヒュウガ、カイリと対峙するゴノミカドを演じる、看板俳優・古田新太ら、平均年齢50代の劇団員が、豪華なゲストを迎え撃つ。

 今作は、『偽義経冥界歌』で悔し涙を飲んだ博多座でのリベンジ公演からスタートし、東京・明治座、大阪・フェスティバルホールと、いずれもエンタテインメント性の強い作品を上演している小屋をかけめぐる。今回の公演数は、劇団史上最多だという。やはり、劇団✩新感線は、チャレンジャーである。少々重いテーマを設定したピカレスクロマンでありながら、〝T(斗真)T(倫也)コンビ〟が揃うからには、歌って踊らないわけにはいかない。今年の新感線エンタテインメントは、劇場をヒート・ウェーブの渦に巻き込むだろう。

2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演
いのうえ歌舞伎『バサラオ』
作:中島かずき 演出:いのうえひでのり
出演:生田斗真 中村倫也/西野七瀬 粟根まこと/りょう/古田新太 他

福岡公演
〔公演日程〕7月7日(日)~8月2日(金)
〔会場〕博多座
〔問〕博多座電話予約センター092-263-5555(10:00~17:00)

東京公演
〔公演日程〕8月12日(月・祝)~9月26日(木)
〔会場〕明治座
〔問〕サンライズプロモーション東京0570-00-3337(平日12:00~15:00)

大阪公演
〔公演日程〕10月5日(土)~10月17日(木)
〔会場〕フェスティバルホール
〔問〕キョードーインフォメーション0570-200-888(11:00~18:00※日曜・祝日は休業)

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