23.02.03 update

東京国立近代美術館70周年記念展「重要文化財の秘密」

 東京国立近代文学館は1952年12月に開館し、2022年度は開館70周年にあたる。明治以降の絵画・彫刻・工芸の重要文化財のみで構成される初めての展覧会が開催される。
 明治以降の作品が最初の重要文化財に指定されたのは、1955年以降。今でこそ「傑作」と呼び声の高い作品も、発表当初は新しい表現が理解されず、「問題作」と言われることもあった。そうした作品が、どのような評価を経て重要文化財に指定されるまでになったのか、美術史の秘密に迫る。

 たとえば、よく知られた名作、黒田清輝の《湖畔》。箱根芦ノ湖に佇む浴衣姿の夫人を描いた涼やかなこの作品は、明治100年を記念して1957~58年に明治時代の作品がまとめて重要文化財に指定され、《湖畔》も最終候補まで残ったが漏れて、重要文化財に指定されたのは1999年(平成11)のこと。さてなぜここまで時間がかかったなのでしょう……。

黒田清輝 《湖畔》 重要文化財 1897(明治30)年 東京国立博物館蔵 4月11日~5月14日

 高村光雲の《老猿》。本作はシカゴ万博で受賞した猿の代表作。万博では日本館の隣にロシア館があり、鷲はロシア館を暗示していると、息子の高村光太郎は回顧している。作品の老いた猿の見つめる先は、明治の日本が欧米列強と肩を並べようとしているその姿なのだろうか。

高村光雲 《老猿》 重要文化財 1893(明治26)年 東京国立博物館蔵 通期展示 Image:TNM Image Archives

 重要文化財は保護の観点から貸出や公開が限られている。本展はそれらをまとめて見ることのできる貴重な機会である。

東京国立近代美術館70周年記念展「重要文化財の秘密」

会期:2023年3月17日(金)~5月14日(日)※会期中展示替えあり
会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
公式ウェブサイト:https://jubun2023.jp/
問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
休館日:月曜日 ※ただし3月27日、5月1日、8日は開館
開館時間:9時30分~17時、金曜・土曜は20時まで(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:一般1,800円 大学生1,200円 高校生700円

 

 

映画は死なず

新着記事

  • 2024.04.17
    国の「重要文化的景観」に選定された<葛飾柴又>の知...

    京成電車下町さんぽ<1>

  • 2024.04.17
    渡り鳥のように、4箇所をぐるぐる ─萩原 朔美 ...

    第12回 キジュからの現場報告

  • 2024.04.17
    利発で、正義感が強く、潔癖で、ちょっぴり生意気で、...

    昭和30年後半の大映映画の青春スター

  • 2024.04.11
    相模原出身のロックバンド (Alexandros ...

    相模大野駅の列車接近メロディ

  • 2024.04.11
    下町の太陽、庶民派女優といわれながら都会の大人の女...

    150万枚のミリオンセラーを記録

  • 2024.04.09
    一日限りの『男はつらいよ』シネマ・コンサート開催!...

    6月29日(土)開催

  • 2024.04.08
    六本木ヒルズ・東京シティビュー 「創刊50周年記念...

    応募〆切:5月17日(金)

  • 2024.04.05
    俳優座の仲間たちから〝モヤ〟と呼ばれ、映画舞台の両...

    4期生とし養成所に入所

  • 2024.04.05
    本年度読売演劇大賞の大賞受賞後、初となる藤田俊太郎...

    東京公演:4月7日(日)開幕

  • 2024.04.04
    最高に幸せな7日間のラブストーリー『ハピネス』舞台...

    応募〆切:4月22日(月)

特集 special feature 

わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の  「芸業」

特集 わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の 「芸業...

棟方志功の誤解 文=榎本了壱

VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いなる遺産

特集 VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いな...

「逝ける映画人を偲んで2021-2022」文=米谷紳之介

放浪の画家「山下 清の世界」を今。

特集 放浪の画家「山下 清の世界」を今。

「放浪の虫」の因って来たるところ 文=大竹昭子

「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

特集 「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

「いい顔」と「いい顔」が醸す小津映画の後味 文=米谷紳之介

人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

特集 人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

わが母とともに、祐三のパリへ  文=太田治子

ユーミン、半世紀の音楽旅

特集 ユーミン、半世紀の音楽旅

いつもユーミンが流れていた 文=有吉玉青

没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、展覧会「萩原朔太郎大全」の旅 

特集 没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、...

言葉の素顔とは?「萩原朔太郎大全」の試み。文=萩原朔美

「芸術座」という血統

特集 「芸術座」という血統

シアタークリエへ

喜劇の人 森繁久彌

特集 喜劇の人 森繁久彌

戦後昭和を元気にした<社長シリーズ>と<駅前シリーズ>

映画俳優 三船敏郎

特集 映画俳優 三船敏郎

戦後映画最大のスター〝世界のミフネ〟

「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の流行歌 

昭和歌謡 「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の...

第一弾 天地真理、安達明、久保浩、美樹克彦、あべ静江

故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・木下惠介のこと

特集 故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・...

「つつましく生きる庶民の情感」を映像にした49作品

仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監督の信念

特集 仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監...

「人間の條件」「怪談」「切腹」等全22作の根幹とは

挑戦し続ける劇団四季

特集 挑戦し続ける劇団四季

時代を先取りする日本エンタテインメント界のトップランナー

御存知! 東映時代劇

特集 御存知! 東映時代劇

みんなが拍手を送った勧善懲悪劇 

寅さんがいる風景

特集 寅さんがいる風景

やっぱり庶民のヒーローが懐かしい

アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

特集 アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

60年以上にわたる創造の全貌

東京日本橋浜町 明治座

特集 東京日本橋浜町 明治座

江戸薫る 芝居小屋の風情を今に

「花椿」の贈り物

特集 「花椿」の贈り物

リッチにスマートに、そしてモダンに

俳優たちの聖地「帝国劇場」

特集 俳優たちの聖地「帝国劇場」

演劇史に残る数々の名作生んだ百年のロマン 文=山川静夫

秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

特集 秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

役柄と素顔のはざまで

秋山庄太郎ポートレートの美学

特集 秋山庄太郎ポートレートの美学

美しきをより美しく

久世光彦のテレビ

特集 久世光彦のテレビ

昭和の匂いを愛し、 テレビと遊んだ男

加山雄三80歳、未だ青春

特集 加山雄三80歳、未だ青春

4年前、初めて人生を激白した若大将

昭和は遠くなりにけり

特集 昭和は遠くなりにけり

北島寛の写真で蘇る団塊世代の子どもたち

西城秀樹 青春のアルバム

特集 西城秀樹 青春のアルバム

スタジアムが似合う男とともに過ごした時間

「舟木一夫」という青春

特集 「舟木一夫」という青春

「高校三年生」から 55年目の「大石内蔵助」へ

川喜多長政 &かしこ映画の青春

特集 川喜多長政 &かしこ映画の青春

国際的映画人のたたずまい

ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

特集 ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

監督と女優の二人三脚の映画人生

中原淳一的なる「美」の深遠

特集 中原淳一的なる「美」の深遠

昭和の少女たちを憧れさせた中原淳一の世界

向田邦子の散歩道

特集 向田邦子の散歩道

「昭和の姉」とすごした風景

information »

new ロマンスカーミュージアムが3周年記念イベントを開催!

イベント ロマンスカーミュージアムが3周年記念イベ...

4月10日(水)~5月27日(日)

「箱根スイーツコレクション 2024」開催中 4月22日(月)まで キャンペーンも実施中

箱根 「箱根スイーツコレクション 2024」開...

Instagramをフォローして、素敵な賞品をゲットしよう

あの人この人の、生前整理archives

あの人この人の、生前整理archives
読者の声
Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial
error: Content is protected !!