宮城壮太郎(1951-2011)という名前を知っている人は少ないと思います。しかし、彼がデザインした製品を手にした人は多いでしょう。亡くなって10年が過ぎ、宮城壮太郎が遺した仕事とは何だったのか。大学卒業後、浜野商品研究所へ入り、建築やインテリアをも含めさまざまなものをデザインすることを学び、1988年独立。本展覧会では、日用品、文房具、工業用電気製品からホテルのサイン計画に至る、宮城の幅広い仕事を検証するとともに、現代生活のなかでのデザインの可能性を探ります。
普段使っている文房具や調理器具、誰がデザインしたのか、あまり気にすることはないかもしれません。しかし、その使い勝手や身の回りに置いた時の心地よさは重要な要素で、デザインによって生み出されています。宮城壮太郎が亡くなって10年を過ぎた今も製造・販売されている製品があり、知らず知らずのうちにデザインした日用品や事務用品を使っているのです。声高にではなく、しかし確固たる信念をもって「デザインに何ができるか」を問い続けたデザイナー・宮城壮太郎の仕事、初の回顧展です。
また、宮城壮太郎という人物にほれ込み、亡くなるまで継続的にデザインを依頼する企業は、どのように宮城と出会い、どのように一緒に仕事をしたか。宮城と親交のあった人物たちが語るインタビュー映像を見ながら、その人物像をより深く知っていただくことが出来ます。
宮城壮太郎 プロフィール
1951年、東京都に生まれる。高校在学中にデザイナーとなることを志し、千葉大学工学部工業意匠学科に入学。卒業後は、学生時代よりアルバイトをしていた浜野商品研究所に勤務。全天候型防水カメラ「HD-1」の開発(1979年)や、渋谷の東急プラザの総合リノベーション計画(1985年)に携わる。1988年に独立し、宮城デザイン事務所を設立。フリーランスのデザイナー、デザインコンサルタントとして活躍。アスクルはその創業時より関わり、ロゴマークからオリジナル商品まで幅広くデザインを行う。1992年よりGマーク商品選定審査委員を務めたほか(95年まで)、母校である千葉大学他で非常勤講師としてデザインを教えた。2011年、食道がんのため死去。
「宮城壮太郎展―使えるもの、美しいもの」
会期:2022年9月17日(土)〜2022年11月13日(日)
会場:世田谷美術館 (東京都世田谷区砧公園1-2)
時間:10:00〜18:00(最終入場時間 17:30)
休館日:毎週月曜日 *ただし、9月19日[月・祝]、10月10日[月・祝]は開館。
9月20日[火]、10月11日[火]は休館。
観覧料:一般1,200円、65歳以上1,000円、大高生800円、中小生500円
*障害者の方は500円。ただし、小中高大学生の障害者は無料。介助者(当該障害者1名につき1名)は無料(予約不要)。
*本展では、展示室内の混雑を避けるため、「日時指定券」を9月1日より販売する。オンラインでのご購入が難しい方、アーツカード等の各種割引をご利用の方は、美術館窓口で「当日券」をご購入ください。ただし、来場時に予定数の販売が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。
お問い合わせ: 050-5541-8600(ハローダイヤル)
【世田谷美術館|公式サイト】https://www.setagayaartmuseum.or.jp/
【世田谷美術館公式サイト|展覧会ページ】https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00210