高句麗の建国神話に登場する伝説の人物の人生を描いた「朱蒙」、新羅第27代の王で、朝鮮史上初の女王の波乱に満ちた半生を描いたサクセスストーリーを描いた「善徳女王」はともに韓国では50%近い視聴率で、日本でも放送され話題のドラマだった。その中にも出てくる「加耶」という国。朝鮮半島の南部の存在し、東の新羅、西の百済、海を挟んだ古代日本の倭、中国などと交流を重ね成長したが、新羅、百済という強国のはざまの中で、勢力が弱まり562年には滅亡する。「加耶」についての興亡の歴史や華麗な文化に光をあてた企画展が、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館で10月4日(火)から開催される。
本展は、大韓民国国立中央博物館の全面協力のもの、加耶の墳墓から出土した金銀のアクセサリー、整美な土器、武威を示す武器や馬具、成長の礎となった鉄、また対外交渉を示す外来の品々など約220点の資料が展示され、加耶の成り立ちから飛躍、そして滅亡までの歴史が明らかにされる。
巡回展として、九州国立博物館では、特別展「加耶」(予定)が、2023年1月24日(火)~3月19日(日)、日本での開催の後は、大韓民国国立金海博物館においても特別展が開催される予定である。
展示品の一部を紹介すると、下記「加耶の耳飾り」は、耳に取り付ける環の下に華麗な飾りを垂らした金製でできており、くちなしの実のような垂れ飾りは大加耶の特徴で、有力者のみが装着できたもの。
「金銅製の冠」は、やはり大加耶の有力者が身に付けた冠で、半円形の板の左右と上部に宝珠形の立飾りが取り付くもので、全体に細かい彫金が施されている。これと類似したものは、日本でも出土している。
また、会期中には、高田貫太氏による「加耶─古代東アジアを生きた、ある王国の歴史─」(10/8)、上野祥史氏による「中国と加耶と倭」(11/12)、松木武彦氏による「加耶と倭の武器と武具」(12/10)の講演会も予定されている。
国際企画展示「加耶─古代東アジアを生きた、ある王国の歴史─」
会期:2022年10月4日(火)~12月11日(日)
会場:国立歴史民俗博物館 企画展示室A
問い合わせは、050-5541-8600(ハローダイヤル)