23.10.03 update

『怪物』『万引き家族』など映画を通して家族の在り方を描く、監督・是枝裕和の魅力に迫る特別展

 鎌倉市川喜多映画記念館では、特別展「映画監督・是枝裕和のまなざし」が、10月7日(土)~2024年1月14日(日)の期間開催される。

 日本を代表する映画監督・是枝裕和は、制作プロダクション「テレビマンユニオン」で、テレビドキュメンタリー制作を手掛けた後、1995年『幻の光』で監督デビューした。その後、『誰も知らない』(2004年)『歩いても 歩いても』(08)『そして父になる』(13)『海街 diary』(15)などで、国内外の主要な映画賞を数々受賞。2018年『万引き家族』が第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞、第91回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。2019年、カトリーヌ・ドヌーヴを主演に迎え、全編フランスで撮影した日仏合作映画『真実(原題:La Vérité)』が第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門のオープニング作品として正式出品されるなど、世界的評価も高い。

 是枝監督は、現代社会が抱える問題点を独自の視点で見つめながら、映画を通して〝家族の在り方〟を問いかけ、〝社会から孤立した存在〟を描いてきた。

 特別展「映画監督・是枝裕和のまなざし」では、下記の作品の上映と、是枝監督の軌跡を辿るポスター、写真、直筆資料等150 点以上の資料が監督自身の言葉とともに紹介される。

<是枝監督テレビドキュメンタリー集>料金:無料(要特別展観覧料)
『しかし…福祉切り捨ての時代に~』(1991年)
『もう一つの教育~伊那小学校春組の記録~』(1991年)
<是枝監督が影響を受けた映画>
映画鑑賞料金:一般1000 円、小・中学生:500 円(展示観覧料含む)
『稲妻』(1952 年、成瀬巳喜男監督)
『エル・スール』(1983 年、ビクトル・エリセ監督)
『童年往事 時の流れ』(1985 年、侯孝賢 監督)
<是枝監督作品>
映画鑑賞料金:一般1000 円、小・中学生:500 円(展示観覧料含む)
『幻の光』『ワンダフルライフ』『誰も知らない』『歩いても 歩いても』『奇跡』『そして父になる』『海街 diary』『万引き家族』『真実(La Vérité)』『怪物』

 また期間中、大島 新(ドキュメンタリー監督/プロデューサー)、是枝監督によるトークイベントも予定されている。さらに、次世代シネマセレクション(12 月21日(木)~ 24 日(日))として、是枝監督らが設立した制作者集団「分福」に所属し、監督助手として経験を積んだのち気鋭の若手監督として活躍する広瀬奈々子監督、川和田恵真監督の作品上映あわせて両監督によるアフタートークも実施されるほか、映画『海街 diary』に関連した散策ツアーも予定されている。

お問い合わせ・鎌倉市川喜多映画記念館 0467-23-2500
HP:https://kamakura-kawakita.org/

映画は死なず

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