22.03.19 update

福士蒼汰、宮野真守が劇団✩新感線興行に再度見参! いのうえ歌舞伎『神州無頼街』大阪、静岡、東京で公演

 一昨年コロナ禍により公演が叶わなかったいのうえ歌舞伎『神州無頼街』が、2年間の延期を乗り越えての念願の上演が決まった。幕末を舞台に、歌と踊りと立ち回りで彩る伝奇時代劇で、劇団☆新感線主宰・いのうえひでのりが、そのすべてをショーアップさせて創り上げる、王道〝いのうえ歌舞伎〟最新作である。3月17日からの大阪公演を皮切りに、4月9日からは物語の舞台となる富士の裾野、新感線初の静岡公演、そして、4月26日には東京公演がスタートする。

 物語の主人公である博識の若き町医者を演じるのは福士蒼汰。福士の記念すべき初舞台は2017年の『髑髏城の七人』Season月<上弦の月>。舞台には映像では見たことがない福士蒼汰がいた。福士の中にそれまでに感じたことのない色気を感じたことを思い出す。そして福士のバディとも言える陽気でお調子者の口出し屋を演じるのは、声優、俳優、歌手として多才ぶりを発揮している宮野真守。福士同様、『髑髏城の七人』Season月<下弦の月>が、劇団☆新感線初参加だった。作者の中島かずきは、宮野のキャラクターに合わせた〝当て書き〟に近い形で本作の役を用意したと聞く。福士と宮野、互いに共演を楽しみにしていた2人だが、延期の期間を経て、その想いはさらに熟成されたに違いない。延期の無念を晴らすような、熱い想いが舞台上で炸裂するに違いない。

 さらに共演者には、今回が劇団☆新感線5回目の出演となり〝準劇団員〟といった存在の松雪泰子。劇団☆新感線初参加となる髙嶋政宏の名も並ぶ。松雪には「色っぽくもありつつ母性を感じさせる大人の妖艶さを発揮してほしい」と言う演出を務めるいのうえの期待に応え、松雪が本作でどんな女優の華を見せてくれるのか楽しみだ。また、いのうえは映画『ZIPANG ジパング』で髙嶋が演じた地獄極楽丸は、『髑髏城の七人』の捨之介の造形に影響を与えていると明かし、〝元祖ロック役者〟という印象を持っていた髙嶋との仕事を楽しみにしているとも言っている。

 幕末や侠客という、これまで中島がいのうえ歌舞伎では取り上げなかった題材で、血煙と砂埃舞う富士の裾野を舞台に闊歩する無頼の輩たちの猥雑で色っぽい〝青年漫画〟の世界がロックで描かれるスペクタクル劇。現実社会の闇を吹き飛ばすような打ち上げ花火のような芝居に期待が高まる。

撮影:田中亜紀
撮影:田中亜紀
撮影:田中亜紀
撮影:田中亜紀

作:中島かずき 演出:いのうえひでのり

出演:福士蒼汰/松雪泰子 髙嶋政宏/粟根まこと 木村了 清水葉月/宮野真守http://www.vi-shinkansen.co.jp/shinshuburaigai/


大阪公演

〔公演日程〕3月17日(木)~3月29日(火)
〔会場〕オリックス劇場
〔料金(税込)〕S席15,800円 A席7,800円 ヤングチケット2,200円
〔問〕キョードーインフォメーション0570-200-888(11:00~16:00※日曜・祝日は休業)


静岡公演

〔公演日程〕4月9日(土)~4月12日(火)
〔会場〕富士市文化会館ロゼシアター 大ホール
〔料金(税込)〕S席14,800円 A席11,800円 ヤングチケット2,200円
〔問〕キョードーインフォメーション0570-200-888(11:00~16:00※日曜・祝日は休業)


東京公演

〔公演日程〕2022年4月26日(火)~5月28日(土)
〔会場〕東京建物 Brillia HALL
〔料金(税込)〕S席14,800円 A席11,800円 B席9,000円 ヤングチケット2,200円
〔問〕サンライズプロモーション東京0570-00-3337(月~金12:00~15:00)

映画は死なず

新着記事

  • 2024.07.27
    泉屋博古館東京「昭和モダーン モザイクのいろどり ...

    応募〆切:8月27日(火)

  • 2024.07.25
    3度目の挑戦で俳優座養成所に合格した田中邦衛は、『...

    大きな垂れ目と、巻き舌の話し方が独特だった

  • 2024.07.25
    夜明けのコーヒー、二人で飲もう…夏が来ると思い出す...

    作詞・岩谷時子、作曲・いずみたくの名曲

  • 2024.07.22
    昭和39年、純愛ドラマの先駆けとなった東芝日曜劇場...

    純愛ドラマ「愛と死をみつめて」のミコ役でトップ・スター

  • 2024.07.18
    ちあきなおみ版が複数のCMに起用されスタンダード・...

    永六輔と中村八大の「六・八コンビ」による〝黒い〟シリーズ第2弾

  • 2024.07.17
    老いが追いかけてくる ─萩原 朔美の日々   

    第19回 キジュからの現場報告

  • 2024.07.17
    [ロマンスカーミュージアム]の夏休みイベントは親子...

    7月17日(水)から

  • 2024.07.17
    <自然災害から身を守るPart2> 大型台風、暴風...

    大型台風、暴風の季節に備えて

  • 2024.07.16
    世界中の映画祭を席巻した、メキシコの新鋭監督の『夏...

    応募〆切:8月4日(日)

  • 2024.07.16
    山梨県立文学館開館35周年の特設展は「文学はおいし...

    7月13日(土)~8月25日(日)

特集 special feature 

わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の  「芸業」

特集 わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の 「芸業...

棟方志功の誤解 文=榎本了壱

VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いなる遺産

特集 VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いな...

「逝ける映画人を偲んで2021-2022」文=米谷紳之介

放浪の画家「山下 清の世界」を今。

特集 放浪の画家「山下 清の世界」を今。

「放浪の虫」の因って来たるところ 文=大竹昭子

「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

特集 「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

「いい顔」と「いい顔」が醸す小津映画の後味 文=米谷紳之介

人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

特集 人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

わが母とともに、祐三のパリへ  文=太田治子

ユーミン、半世紀の音楽旅

特集 ユーミン、半世紀の音楽旅

いつもユーミンが流れていた 文=有吉玉青

没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、展覧会「萩原朔太郎大全」の旅 

特集 没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、...

言葉の素顔とは?「萩原朔太郎大全」の試み。文=萩原朔美

「芸術座」という血統

特集 「芸術座」という血統

シアタークリエへ

喜劇の人 森繁久彌

特集 喜劇の人 森繁久彌

戦後昭和を元気にした<社長シリーズ>と<駅前シリーズ>

映画俳優 三船敏郎

特集 映画俳優 三船敏郎

戦後映画最大のスター〝世界のミフネ〟

「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の流行歌 

昭和歌謡 「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の...

第一弾 天地真理、安達明、久保浩、美樹克彦、あべ静江

故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・木下惠介のこと

特集 故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・...

「つつましく生きる庶民の情感」を映像にした49作品

仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監督の信念

特集 仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監...

「人間の條件」「怪談」「切腹」等全22作の根幹とは

挑戦し続ける劇団四季

特集 挑戦し続ける劇団四季

時代を先取りする日本エンタテインメント界のトップランナー

御存知! 東映時代劇

特集 御存知! 東映時代劇

みんなが拍手を送った勧善懲悪劇 

寅さんがいる風景

特集 寅さんがいる風景

やっぱり庶民のヒーローが懐かしい

アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

特集 アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

60年以上にわたる創造の全貌

東京日本橋浜町 明治座

特集 東京日本橋浜町 明治座

江戸薫る 芝居小屋の風情を今に

「花椿」の贈り物

特集 「花椿」の贈り物

リッチにスマートに、そしてモダンに

俳優たちの聖地「帝国劇場」

特集 俳優たちの聖地「帝国劇場」

演劇史に残る数々の名作生んだ百年のロマン 文=山川静夫

秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

特集 秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

役柄と素顔のはざまで

秋山庄太郎ポートレートの美学

特集 秋山庄太郎ポートレートの美学

美しきをより美しく

久世光彦のテレビ

特集 久世光彦のテレビ

昭和の匂いを愛し、 テレビと遊んだ男

加山雄三80歳、未だ青春

特集 加山雄三80歳、未だ青春

4年前、初めて人生を激白した若大将

昭和は遠くなりにけり

特集 昭和は遠くなりにけり

北島寛の写真で蘇る団塊世代の子どもたち

西城秀樹 青春のアルバム

特集 西城秀樹 青春のアルバム

スタジアムが似合う男とともに過ごした時間

「舟木一夫」という青春

特集 「舟木一夫」という青春

「高校三年生」から 55年目の「大石内蔵助」へ

川喜多長政 &かしこ映画の青春

特集 川喜多長政 &かしこ映画の青春

国際的映画人のたたずまい

ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

特集 ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

監督と女優の二人三脚の映画人生

中原淳一的なる「美」の深遠

特集 中原淳一的なる「美」の深遠

昭和の少女たちを憧れさせた中原淳一の世界

向田邦子の散歩道

特集 向田邦子の散歩道

「昭和の姉」とすごした風景

あの人この人の、生前整理archives

あの人この人の、生前整理archives
読者の声
Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial
error: Content is protected !!