2022年の今年、芸能生活60周年という大きな節目を迎えた舟木一夫。1月19日に、東京・国際フォーラムで開催したスペシャルコンサートを皮切りに、これまで27か所30公演にて60周年記念ツアーを展開してきた。7月に浅草公会堂で開催されたコンサートに足を運んだが、第1部が「銭形平次」「一心太助 江戸っ子祭り」「右衛門七討入」「喧嘩鳶」「ああ!!桜田門」など、舟木がテレビドラマ、映画、舞台などで演じた作品の日本調の曲で構成され、第2部では「高校三年生」をはじめ「花咲く乙女たち」「絶唱」「夕笛」「高原のお嬢さん」などの観客が待ち望むおなじみのヒット曲で構成されていた。77歳という年齢で、現役流行歌手として、これだけの大ステージをこなす歌手を知らない。なにより、観客の幸せそうな笑顔が印象的なコンサートだった。
そして、60周年というアニバーサリーイヤーを締めくくる新橋演舞場での10日間にわたるロングコンサートが12月10日に幕を開ける。今回の公演では、休演日を除く10日間で3日ごとに曲目を変え、最終日のサンクスコンサートを含め、全4プログラム構成で上演される。「10日間で延べ300曲以上歌うので、肉体的には相応の負荷がかかりますが、10日間やるからには、あえて負荷をかけてバージョンを変えて上演するのがいいかなと僕が提案しました」と、初日前日の取材会で、意気込みを力強く語っている。芝居と歌謡ショーとの構成で1か月公演の座長を務め、毎年、新橋演舞場でもシアターコンサートを開催している舟木だが、ロングコンサートというスタイルは初めてではないだろうか。多彩な内容でコンサートが組めるのは、舟木が多くのヒット曲を持っている証だろう。「昭和の歌い手が昭和の歌を唄って、昭和のお客様に聴いていただくのが、僕にとっては一番いいスタイルです」と、コンサートへの現在の思いも披露する。