エリア・スレイマンが監督・脚本・主演を務める本作は『第72回カンヌ国際映画祭』で特別賞と国際映画批評家連盟賞をダブル受賞し、『第92回アカデミー賞』国際長編映画賞パレスチナ代表に選出された最新作です。
〝現代のチャップリン〟と称される名匠エリア・スレイマン。新作の企画を売り込むために、故郷ナザレからパリ、ニューヨークへと旅に出たが、パリでは美しい景観に見惚れる一方、街を走る戦車、炊き出しに並ぶ大勢の人、救護されるホームレスを見る。またニューヨークでは、街で銃を持つ市民、上空を旋回するヘリコプター。さらに、肝心の映画企画は「パレスチナ色が弱い」とあっけなく断られてしまう。いかに遠くへ行こうとも、秩序があるとされる街にいようとも、いつも彼に故郷を思わせる何かがある。
本作は、エリア・スレイマン監督のパレスチナへの愛と苦悩、そして世界の混迷と人間の愛おしさを描いた作品です。
配給:アルバトロス・フィルム