ある大家族の涙と笑い、映画『人生ドライブ』実在の大家族そのままから見えてくること
熊本県宇土市で暮らす岸英治さんと信子さん夫婦には7男3女、10人の子どもがいる。この大家族を、熊本県民テレビが20年間追ったドキュメンタリー番組が、『人生ドライブ』と改題され映画化、公開が迫っている。
映画から溢れ、見えてくるのは10人の子どもたちへの愛情や暮らしの工夫だ。その中のひとつ、岸家には月に一度、自分が生まれた日にお父さんかお母さんを独り占めできるという、その子にとって大切な日であり、大家族・岸家ならではの約束。同時に英治さんと信子さんは忙しい日々の合間を縫って 2 人でドライブをすることも。60 代を過ぎた今でもお互いを名前で呼び合い、他愛のない会話の中には、長年連れ添う夫婦だけの穏やかな時間が流れる。
そんな家族を襲った自宅の全焼、2016 年の熊本地震、緊急入院…次々困難に見舞われても、時にはふたりで、また時には家族で乗り越えてきた。2000年頃から、岸家の生活を21年にわたり寄り添うように取材をしたのは地元“熊本県民テレビ”。「NNN ドキュメント」にて話題となった TV ドキュメンタリーが開局40周年を記念して劇場上映に向け再編集し、初の映画公開。ナレーションは2児の母である女優の板谷由夏が務める。コロナ禍の今だからこそ、岸さん夫婦の暮らしや子どもたちへの接し方からは、普段見落としがちなすぐそこにある幸せに気づくヒントが見えてくる。
2006年にはじめて岸さん家族と出会った城戸涼子監督は言う。「結婚してもうすぐ40年になる英治さんと信子さん、成長した子どもたちの姿に私自身は何度も〝人生のヒント〟をもらいました。この映画を通して英治さんと信子さんの人生を感じて頂ければと思います。そしてそれが、ご覧になった方それぞれの人生や大切な人を見つめるきっかけになれば、これほどうれしいことはありません」。
『人生ドライブ』
5月21日(土)ポレポレ東中野ほか全国順次公開
4月29日(金・祝)より[熊本]Denkikan にて先行上映
監 督 :城戸涼子
ナレーション:板谷由夏
プロデューサー:古庄 剛
製作著作:KKT熊本県民テレビ/配給:太秦
<令和4年文部科学省選定作品>
公式サイト: jinsei-drive.com