「ロマンスカー」の名前の由来は諸説あるそうだが、新宿の映画館「新宿武蔵野館」で二人掛けの座席が「ロマンスシート」として話題になった時期に、小田急の特急も対面式の二人掛け座席を採用していたため、そこから「ロマンスカー」と呼ばれるようになったと言われている。特に、展示されている1957年(昭和32)就役のSE(3000形)以降から、「ロマンスカーといえば小田急」というイメージが徐々に定着していった。
ところで、6月19日の「ロマンスの日」にちなんで、開館前・閉館後にロマンスカーミュージアムを貸し切りにして、フォトウェディングの撮影や人前式を実施している。最近では、海老名の結婚式場とコラボレーションしてブライダルフェアを開催している、という。「将来的には、銀婚式や金婚式など、シニア層にも広げていけたらと考えています」とは松村さん。また、音楽イベントなど、一見鉄道と関係のないイベントも増えているのだとか。

「最初はDJの方の持ち込み企画でしたが、鉄道好きのその方の熱意に共感し、ロマンスカーギャラリーで初めての音楽イベントを開催しました。車両の照明だけを残し、館内を暗くしてプロジェクションマッピングを行ったことで、〝動かない車両が動いて見える〟演出が大きな反響を呼びました。これまで5回開催してきて、ロマンスカーギャラリー活用の新たな取り組みの成功例となりました。それ以外にも地元の中学校や高校の吹奏楽部や、和太鼓演奏なども実施しており、音楽×鉄道の新たな可能性が広がっています」と語る。
一気にやりたいことも増えている昨今だが、地域とのつながりについても、「このミュージアムは小田急の中心地・海老名にあり、地域の方々の集いの場として根付かせたい。たとえば卒園式の後に園全体の謝恩会ができるような場所になれば…」と、松村さん。
「今後は季節ごとに、鉄道以外のワークショップを企画しています。たとえば、ロマンスカーの行先の一つである箱根をテーマにした企画では、箱根の寄木細工の体験や、温泉について理解を深めながら入浴剤を作る体験など、鉄道に詳しくない方でも楽しめる工夫を凝らしています。ロマンスカーを知らない人にもまずは足を運んでもらい、結果的に興味を持ってもらえたらいいなと思っています」
「自分たちが楽しんで働くこと」が大切だ、と力説するのは松村副館長。「スタッフの楽しさは、お客さまにも自然と伝わるもの。ロマンスカーのかっこよさ、館内のワクワク感、スタッフの笑顔。それらすべてが合わさって、「また来たい」と思ってもらえる体験になります」とも。開業4年、まだまだロマンスカーミュージアムの面白さ、楽しさが増して、何度でも訪れたくなる〝伸びしろ〟がありそうだ。
所在地:神奈川県海老名市めぐみ町1-3(小田急線海老名駅隣接地)
電話:046-233-0909











