25.07.16 update

「昭和」の風景が残る「京成町屋」で下町情緒に浸る

 

 京成線の線路を隔てて南側には、昭和のままの細い路地裏に木造住宅が残っていて、まるで迷路のよう。軒先には、植木鉢が並び、よく水をやり手入れをされている。

 駅にもどり尾竹橋通りを歩いてみた。埼玉県東部と東京都心東部を結び足立区と荒川区を横断し、途中隅田川にかかる尾竹橋があることから尾竹橋通りと名づけられた。東京さくらトラムの線路付近には、チェーン店も多いが、歩くほどに、和菓子屋、雑貨店など地元密着型の商店に出くわす。新旧入り混じり、新たな存在をも溶け込ませるのが、町屋のあたたかさなのかもしれない。

 老舗の和菓子屋「千住宿 喜田家」は、足立区千住寿町に1955年(昭和30)に「ひさご最中」と「どら焼き」の和菓子で創業した。屋号になっている「千住宿」は、江戸と東照宮を結ぶ「将軍家の参道」として整備された、日光街道の初宿のこと。店内の壁には、千住宿を伝える書き物が貼られ、陳列された商品にもさりげなく、「文豪森鷗外も千住に住んでた」「芭蕉さんのいっぷく」「手書き絵馬屋」「千住っ手とお閻魔様と赤門寺」といった千住宿にゆかりのあるコラムが書かれいて興味深い。本店の原点ともいうべきどら焼きは、「六どら」の小倉あん、きんとん、栗一粒、あんバター、りんごなどがある。この日は、黒糖の生地にあっさりとした餡で本店の人気商品「黒糖どら焼き 六人衆」をいただいた。作ったその日に店舗でしか販売してないそうで、柔らかい生地と甘すぎない餡が絶妙だった。

 「餅入り 千住最中」「塩味クリーム大福」「コーヒー大福」「空de餅」「足立姫」、焼き菓子の「福良すずめ」「江戸太鼓」「東京1010」など多種の和菓子が並ぶ。鮎の形をしたかわいい焼き菓子には、「職人が一枚一枚丁寧に焼き上げたふっくりした生地にもっちりとした餅を包みました。冷やして食べても美味しいです」とメッセージがある。創業当時からの和菓子に加え、商品開発を重ねてきたからこそ、町屋の地でも愛されているのだろう。


▲千住宿 喜田家 町屋店

[住所] 荒川区町屋1-2-12 [問]03-3893-0831 [営業時間] 9:00〜19:00(火曜日は17:00まで)[定休日] 元日。1月2日、3日、4日営業時間短縮

 

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