共演作がテレビドラマ一作だけという山本陽子さんと辰巳琢郎さん。「何だか意外ね、もっとご一緒していると思っていました」と山本さんが言うほど、プライベートでは長年にわたり交遊がある。その親密さは「そういえば、陽子さんの化粧している顔ってあまり見たことないね」という辰巳さんの発言から、推して知るべし。心を許せる「遊べる仲間」なのだ。この日は懐かしい共演作のこと、山本さんの日活時代の話から、ワインのこと、麻雀のエピソードまで、山本さんの知られざるプロフィールが辰巳さんの話術により、引き出されることになった。「女っぽい顔も絶対あるのに、陽子さんはそんな表情をなかなか見せない」という辰巳さんの山本陽子評は、細やかな気配りの心も備えた、ざっくばらんな性格の「男前」ということだ。
撮影協力:ハイアット リージェンシー 東京
撮影:渞忠之
やまもと ようこ
女優。東京生まれ。1963 年に第7 期日活ニューフェイスとして映画デビューするが、女優としての資質はむしろテレビで開花し、高視聴率女優として地位を確立した。71 年に『放浪記』で初舞台、80年に『花埋み』で舞台初主演。テレビ、映画、舞台と数多くの作品に出演し現在も第一線で活躍中。映画『花と怒濤』『花の恋人たち』『青春の鐘』『嵐の勇者たち』『三人の女 夜の蝶』『華麗なる一族』『八つ墓村』『デンデラ』、テレビドラマ「しろばんば」「七人の孫」「光る海」「太郎」「ながい坂」「坊ちゃん」「しがらき物語」「国盗り物語」「白い影」「冬の貝殻」「白い滑走路」「花の生涯」「残りの雪」「亜紀子」「となりの芝生」(テレビ大賞優秀番組賞)「女の橋」「喜びも悲しみも幾歳月」「女の家庭」「日陰の女」「不毛地帯」「彩の女」「女たちの海峡」「松本清張の黒革の手帖」「海よ眠れ」「ひとひらの雪」「お入学」「京、ふたり」「付き馬屋おえん事件帳」「月の船」「徳川慶喜」「聖なる怪物たち」、舞台『放浪記』『絵島の恋』『明治一代女』『生きて行く私』『歌行燈』『或る女』『おはん』(93 年度菊田一夫演劇賞受賞)『新版 香華』『8 人の女たち』『阿修羅のごとく』『いろどり橋』(名古屋演劇ペンクラブ賞)、山本陽子芸能生活五十周年記念の一人語り『花埋み』、舞台『あるジーサンに線香を』など多数の出演作がある。46 年目となる山本海苔店との専属CM モデル契約はギネス世界記録に認定されている。
たつみ たくろう
俳優。1958 年大阪市出身。京都大学文学部卒業。大学在学中には学内劇団「卒塔婆小町」を主宰、現在は知性・品格・遊び心と三拍子揃った俳優として、幅広く活躍中。俳優のみならず、クイズ番組では博識ぶりを披露して〈芸能界のクイズ王〉としても知られる。食通・ワイン通としても知られ、日本ワインを愛する会副会長、日本ソムリエ協会名誉ソムリエの他、数々のワイン騎士団の騎士号を贈られている。テレビドラマにも「浅見光彦シリーズ」の浅見光彦役をはじめ、NHK 連続テレビ小説「ロマンス」「カーネーション」、大河ドラマ「八代将軍吉宗」「元禄繚乱」「利家とまつ~加賀百万石物語~」「篤姫」、「松本清張スペシャル・夜光の階段」「陽炎の辻~居眠り磐音 江戸双紙~」「薄桜記」など多くの出演作がある。国連WFP 協会顧問、観光庁アドバイザー、近畿大学文芸学部委員教授も務める。