23.02.01 update

国際都市・東京の新しい顔になる、4つの超高層ビルを結ぶ「虎ノ門ヒルズ」という街

 通称「マッカーサー道路」。戦後、虎ノ門のアメリカ大使館から東京湾の竹芝桟橋まで、GHQが要求したといわれる軍用道路計画を名づけたものだ。その開発は用地の買収が難航し、さらに道路予定地域は建築上の高さ制限により、3階までの建物しか建てられなかった。90年代になり「立体道路制度」が適用され大部分が地下トンネルとなり、その上に高層ビルを造るという離れ業が編み出された。この「環状二号線 築地虎ノ門トンネル」の上に地上52階建ての超高層ビル「虎ノ門ヒルズ 森タワー」が竣工されたのは2014年5月。なんとマッカーサー道路計画から68年が経っていた。

虎ノ門ヒルズ全景現況写真(空撮)2023年1月12日撮影

 この「虎ノ門ヒルズ 森タワー」の出現とともに、周辺の虎の門病院やホテルオークラの建て替えが始まり虎ノ門エリアは目まぐるしい勢いで開発が進んだ。さらに2020年6月は、東京メトロ日比谷線に「虎ノ門ヒルズ駅」が開業。そして駅と街が一体となった開発で今年7月に誕生するのが「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」である。

 国家戦略特区事業に指定されたこともあるが、森タワー完成後わずか約9年という短い期間に、「虎ノ門ヒルズ ビジネスセンター」(2020年1月竣工)、「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」(2022年1月竣工)と立て続けに3つの超高層ビルが誕生し、4つ目の「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の完成で、「虎ノ門ヒルズ」は、六本木ヒルズに匹敵する街ができあがる。

「ステーションタワー」は、国際水準のオフィスはもちろんのこと、地下鉄駅前広場と一体になった商業施設、東京初進出のホテルなどに加え、建築の最上部にはホール、ギャラリー、プール、レストランなどを有する「TOKYO NODE」が開設される。「TOKYO NODE」は、ビジネス、アート、エンターテインメント、テクノロジー、ファッションなど、様々な分野のコラボレーションによって、新たなコンテンツや情報が生まれることを狙っている。新しいアイデアが集まり、新たなビジネスやイノベーションを東京から世界に発信することを目指している。

情報発信拠点「TOKYO NODE]イメージ ©DBOX for MORI Building Co.,Ltd

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