舘ひろし(74)と柴田恭兵(72)の二人が、とにかくカッコいい、ダンディすぎる。あの「あぶ刑事」が帰ってきた。元横浜港署少年課課長、真山薫を演じるハイテンションな浅野温子、そしてちょっと抜けた感じの横浜港署三代目捜査課長の町田透を演じる仲村トオル、「あぶ刑事」コンビの4人が再び揃った。
ファン待望の『帰ってきた あぶない刑事』が、5月24日(金)公開となる。
テレビ版「あぶない刑事」が始まったのは1986年(昭和61)10月。再開発を間近に控えた横浜を舞台に、神奈川県警港警察署捜査課の刑事コンビ、タカこと鷹山敏樹(舘ひろし)とユージこと大下勇次(柴田恭兵)の破天荒な活躍を描いた刑事ドラマは、テレビ版では日曜の夜9時枠でスタートした。回を重ねるごとに話題となり、翌年12月には劇場版『あぶない刑事』が公開され、その後『またまた』『もっとも』『リターンズ』『フォーエヴァーTHE MOVIE』『まだまだ』と続いて、2016年1月公開の『さらば あぶない刑事』でシリーズが完結された。
それから8年。定年退職後ニュ―ジーランドで探偵事務所を開業したが、現地の警官と問題を起こし、探偵の免許をはく奪されたため横浜に帰って来たのだ。そして横浜で探偵事務所を開くことになった。そこに永峯彩夏(土屋太鳳)がやってくる。彩夏の依頼は、自分を生んで消えた母親を探してくれということだった。
タカとユージに、事件はつきものだ。横浜で香港在住の日本人弁護士が何者かに殺される。埠頭で見かけた、岸谷五郎演じる劉飛龍(リュウ・フェロイン)を訪ねると、そこには、ステラ・リー(吉瀬美智子)というビジネス・パートナーがいる。このステラ・リーは、タカとユージに忘れられないいわくつきの女性だった。横浜にカジノ誘致をもくろむ海堂巧(早乙女太一)は、元銀星会の組長の息子だ。往年のファンには懐かしい「銀星会」だろう。
ジャズバーでの銃激戦、コンテナヤードでの攻防戦が繰り広げられる。さすがに激しいアクションでは、息を切らす二人。「これがほんとのオイル(老いる)ショック?」と駄洒落も出てくるから余裕だ。何といってもハーレーに乗った、舘ひろしの「It’s SHOW TIME」だろう。全部持っていかれたという感じがしないでもない。
タカとユージは忍び寄る未曾有の危機から横浜の街を救うことができるだろうか。そして彩夏は、母親と会うことができたのだろうか。
本作は、『あぶ刑事』のプロデューサー故黒澤満が、「ニュージーランドへ行った二人を横浜に戻したい」という一言でシリーズ8作目が動き出した。黒澤は、『あぶ刑事』の生みの親でもあり、松田優作主演の『探偵物語』(83)はじめ、『野獣死すべし』(80)、『Wの悲劇』(84)、『ビー・バップ・ハイスクール』(85)、『北のカナリアたち』(12)、『ばぁちゃんロード』(18)、『終わった人』(18)、など数多くの作品を生み出してきた。2018年11月に85歳で帰らぬ人となった。舘にとっては「映画の父」だった。5月24日の公開を誰よりも楽しみにしているに違いない。
『帰ってきた あぶない刑事』
2024年5月24日(金)公開
配給:東映
(C)2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会