チベットの今を圧倒的な映像美で描いた『羊飼いと風船』は、世界中の映画祭でも絶賛された作品です。
神秘の地・チベットで牧畜をしながら暮らす、祖父・若夫婦・3人の息子の三世代の家族は、近代化によってその伝統や価値観が少しずつ変わり始める。そんなある日、子供たちのいたずらによって家族たちの間にすれ違いが起こるのだ。信仰との向き合い方、牧畜民の現実、女性たちの選択など、複雑に絡み合う家族のジレンマを、時にユーモアを込めながら描きだしました。
監督は、チベット映画の先駆者ペマ・ツェテン。作家としても実績が高く、日本公開は本作が初めて。撮影・リュー・ソンイエが作り出す、詩的で幻想的な映像美には思わず息を呑み、ペイマン・ヤズダニアンが奏でる心揺さぶる旋律が、物語を大きく盛り上げます。
配給:ビターズ・エンド