人生百年時代――とはいえ、老いさらばえて100歳を迎えたくはない。
健康で生気みなぎるような日々を過ごせてこそ、ナイス・エイジングだ!
西洋医学だけでなく東洋医学、ホメオパシー、代替医療まで、
人間を丸ごととらえるホリスティック医学でガン治療を諦めない医師、
帯津良一の養生訓は、「こころの深奥に〝ときめき〟あれ」と説く。
連載15回
新しくも強大な色気に酔い痴れる
文=帯津良一
最近、タクシーに乗り、後部座席の前方に向かって左側に坐ると、かならず目の前にテレビが現れます。すべてが面白いわけではないし、同じシーンが何回も繰り返し現れることも少なくないので、いつもこれに期待して乗車するというわけではありません。
ところが最近、非常に魅力的な場面に遭遇したのです。妙齢の女性が可愛い兎のぬいぐるみと語り合うのです。この妙齢の女性はこれまでに数回交代しています。最近下りたばかりの女性に猛烈な色気を感じたのです。その原因は兎さんとの話の内容ではありません。話はまるで聞いていないので、まったくわかりません。
色気の原因はまたまた彼女の外鼻孔なのです。ただ、これまでと異なるのは外鼻孔の形そのものが色気を醸し出しているわけではないということです。そもそもが、彼女の顔を正面から見据えたのでは外鼻孔はほんの一部しか見えません。つまり、外鼻孔のある面と大地がほぼ平行状態にあるのです。
ただ、人間というものは語りながら、顔の面をかなり変化させるものなのです。ということは外鼻孔のある面と大地がいつも平行状態にあるわけではなく、微妙に変化するために外鼻孔が見え隠れすることになり、このことが色気を発しているのではないでしょうか。外鼻孔が隠れようとすると、もう少ししっかりと見たいという気持ちが起こって来て、思わず色気を追い求めることになるようです。
この女性が浜辺美波さんという人であることはテレビ画面で紹介されていましたのですぐわかりました。ただなんとしてもテレビの画面は短かすぎますので、もう少ししっかりと見せていただきたいと思いました。ということで彼女の実物にお会いしたくなりました。
以前同じようなケースでお世話になったことのあるジャーナリストの友人に頼んでみました。彼は大笑いをしながら聞いてくれましたが、あれからもう三週間も経ちましたがいまだに色好い返事をいただいていません。
そんな時に私の自室のある廊下で病院の事務部の女性に会いました。この廊下で会ったときはハグすることにしている女性です。ただし第三者の居ないときに限ります。
この時は総婦長室の前で総婦長さんと立ち話をしていました。今回はそのまま通り過ぎようとしたところ、総婦長さんが、
「先生、あれでしょ!」
と言って自室に入りました。二人の約束事を知っているのです。得たりやおうと抱きつきました。ところが、ふと気がつくと総婦長室の扉が少し開いて、彼女の隻眼がこちらを見つめているのです。いささか周章(あわて)ましたが、同時に美波さんの顔が眼前に迫って来たものでした。まさに好きかな色恋沙汰です。
おびつ りょういち
1936年埼玉県川越市生まれ。東京大学医学部卒業、医学博士。東京大学医学部第三外科に入局し、その後、都立駒込病院外科医長などを経て、1982年、埼玉県川越市に帯津三敬病院を設立。そして2004年には、池袋に統合医学の拠点、帯津三敬塾クリニックを開設現在に至る。日本ホリスティック医学協会名誉会長、日本ホメオパシー医学会理事長著書も「代替療法はなぜ効くのか?」「健康問答」「ホリスティック養生訓」など多数あり。その数は100冊を超える。現在も全国で講演活動を行っている。講演スケジュールなどは、https://www.obitsusankei.or.jp/をご覧ください。