23.12.27 update

72年の札幌オリンピック、映画『私をスキーに連れてって』のヒットでスキー・ブームに

レジャー・ブーム到来と言われた1961年、スキー人口が年間100万人を突破し、72年の札幌オリンピックをきっかけに、戦後最大のスキー・ブームが到来した。
87年公開の映画『私をスキーに連れてって』のヒットもブームに拍車をかけテニスと並びスキーは大学のサークルでも一番人気で93年の最盛期にはスキー人口は1860万人まで増加した。
国鉄末期の86年にはスキー臨時列車「シュプール号」も運転を開始し、さらには寝台特急「北斗星トマムスキー/ニセコスキー」も運行した。週休二日制が一般化された時期とも重なり、夜行列車や夜行バスを利用してスキー場に向かう客が増えたのだ。
90年前後には修学旅行先がスキー場という学校もあった。
90年代後半ともなると、ゲレンデにはスノーボーダーたちが増加しスキー・ブームも鎮静化することとなる。それはバブルの崩壊の時期でもあった。
スキー・ブームは、まさにバブルの象徴だった。


スキー・ブームがあった頃

ゲレンデに遊ぶ若者たち

文=川本三郎

昭和の風景 昭和の町 2019年1月1日号より


昭和になって急速に普及したスキー

 ……山は白銀(しろがね)、朝日を浴びて……風切る早さ
 ウィンター・スポーツの雄、スキーというとまずこの童謡「スキー」(作詞・時雨音羽、作曲・平井康三郎)を思い浮かべる。
 子供の頃によく歌った歌なので戦後の歌かと思いきや、調べると、昭和十七年(一九四二)、戦時中に作られたというので驚く。
 考えてみれば、日本で広くスキーが楽しまれるようになったのは昭和に入ってから。
 スキーはまず明治になって日本に紹介された。
 明治末に、オーストリアの軍人が新潟高田(現在の上越市)にあった歩兵連隊で教えた。これはストックが一本の方式だったという。 
 他方、やはり明治末に、スイスの教授が札幌の大学で生徒に、ストック二本の方式を教えた。日本ではこちらが主流になっていった。
 日本は北海道、東北、上信越と冬は雪が多い。そのためにスキーは急速に広まり、昭和に入って広く普及していった。
 昭和六年(一九三一)には「スキーの唄」(作詞・島田芳文、作曲・古賀政男)が作られヒット曲になった。
 ……胸にさらさら 粉雪小雪 若いスキーヤーの 若いこの胸 血は踊る
 歌がヒットしたので、翌七年には同名の映画になっている。この頃からスキーが人気スポーツになっていることが分かる。

北海道の「開道五十年記念写真展」に出品された岩瀬栄一さんの写真で、昭和24年2 月13 日に手宮公園のある丘で実施された小学校のスキー授業の様子を撮影した一枚。写真提供:市立小樽図書館

1 2 3

映画は死なず

新着記事

  • 2024.03.01
    今から準備、青森県内の美術館5館によるアートフェス...

    青森県で現代美術を楽しむ!

  • 2024.03.01
    金塊強盗からスーパースターへ!信じられないような実...

    応募〆切:3月25日(月)

  • 2024.03.01
    森美術館 ブラック・アートと日本の「民藝」の融合、...

    4月24日(水)~9月1日(日)

  • 2024.03.01
    なぜ世田谷区はアーティストの街になったか。「世田谷...

    山口蓬春、植草甚一、舟越保武らも

  • 2024.02.29
    美空ひばり、成城の通りで歌う! 〝成城ロケ映画〟の...

    文=高田雅彦

  • 2024.02.29
    『ブギウギ』の淡谷のり子のドレスアップと重なる燕尾...

    東映映画『国定忠治』の名文句が忘れられない

  • 2024.02.28
    小林武史、三上博史、山口智子、種田陽平……映画『ス...

    文=河井真也

  • 2024.02.28
    破天荒なドイツのラッパーのサクセスストーリー!『女...

    3月29日(金)より全国順次公開

  • 2024.02.27
    芝居はボケ防止になるという話─萩原 朔美の日々 ...

    楽屋での雑談もまた楽し

  • 2024.02.27
    森ビルの「ヒルズ街育プロジェクト」が文部科学大臣賞...

    森ビルの街づくりが表彰される!

特集 special feature 

わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の  「芸業」

特集 わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の 「芸業...

棟方志功の誤解 文=榎本了壱

VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いなる遺産

特集 VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いな...

「逝ける映画人を偲んで2021-2022」文=米谷紳之介

放浪の画家「山下 清の世界」を今。

特集 放浪の画家「山下 清の世界」を今。

「放浪の虫」の因って来たるところ 文=大竹昭子

「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

特集 「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

「いい顔」と「いい顔」が醸す小津映画の後味 文=米谷紳之介

人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

特集 人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

わが母とともに、祐三のパリへ  文=太田治子

ユーミン、半世紀の音楽旅

特集 ユーミン、半世紀の音楽旅

いつもユーミンが流れていた 文=有吉玉青

没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、展覧会「萩原朔太郎大全」の旅 

特集 没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、...

言葉の素顔とは?「萩原朔太郎大全」の試み。文=萩原朔美

「芸術座」という血統

特集 「芸術座」という血統

シアタークリエへ

喜劇の人 森繁久彌

特集 喜劇の人 森繁久彌

戦後昭和を元気にした<社長シリーズ>と<駅前シリーズ>

映画俳優 三船敏郎

特集 映画俳優 三船敏郎

戦後映画最大のスター〝世界のミフネ〟

「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の流行歌 

昭和歌謡 「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の...

第一弾 天地真理、安達明、久保浩、美樹克彦、あべ静江

故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・木下惠介のこと

特集 故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・...

「つつましく生きる庶民の情感」を映像にした49作品

仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監督の信念

特集 仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監...

「人間の條件」「怪談」「切腹」等全22作の根幹とは

挑戦し続ける劇団四季

特集 挑戦し続ける劇団四季

時代を先取りする日本エンタテインメント界のトップランナー

御存知! 東映時代劇

特集 御存知! 東映時代劇

みんなが拍手を送った勧善懲悪劇 

寅さんがいる風景

特集 寅さんがいる風景

やっぱり庶民のヒーローが懐かしい

アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

特集 アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

60年以上にわたる創造の全貌

東京日本橋浜町 明治座

特集 東京日本橋浜町 明治座

江戸薫る 芝居小屋の風情を今に

「花椿」の贈り物

特集 「花椿」の贈り物

リッチにスマートに、そしてモダンに

俳優たちの聖地「帝国劇場」

特集 俳優たちの聖地「帝国劇場」

演劇史に残る数々の名作生んだ百年のロマン 文=山川静夫

秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

特集 秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

役柄と素顔のはざまで

秋山庄太郎ポートレートの美学

特集 秋山庄太郎ポートレートの美学

美しきをより美しく

久世光彦のテレビ

特集 久世光彦のテレビ

昭和の匂いを愛し、 テレビと遊んだ男

加山雄三80歳、未だ青春

特集 加山雄三80歳、未だ青春

4年前、初めて人生を激白した若大将

昭和は遠くなりにけり

特集 昭和は遠くなりにけり

北島寛の写真で蘇る団塊世代の子どもたち

西城秀樹 青春のアルバム

特集 西城秀樹 青春のアルバム

スタジアムが似合う男とともに過ごした時間

「舟木一夫」という青春

特集 「舟木一夫」という青春

「高校三年生」から 55年目の「大石内蔵助」へ

川喜多長政 &かしこ映画の青春

特集 川喜多長政 &かしこ映画の青春

国際的映画人のたたずまい

ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

特集 ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

監督と女優の二人三脚の映画人生

中原淳一的なる「美」の深遠

特集 中原淳一的なる「美」の深遠

昭和の少女たちを憧れさせた中原淳一の世界

向田邦子の散歩道

特集 向田邦子の散歩道

「昭和の姉」とすごした風景

information »

new 森ビルの「ヒルズ街育プロジェクト」が文部科学大臣賞を受賞

都市 森ビルの「ヒルズ街育プロジェクト」が文部...

森ビルの街づくりが表彰される!

あの人この人の、生前整理archives

あの人この人の、生前整理archives

PEOPLE frontline Vol.1

PEOPLE frontline Vol.1

PEOPLE frontline Vol.2

PEOPLE frontline Vol.2
読者の声
Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial
error: Content is protected !!