作品を発表するたびに世界三大映画祭をはじめ国際映画祭の舞台で絶賛され、確固たる巨匠の地位を確立した映画作家ホン・サンス。人生の不思議なめぐり合わせや人間の深遠なる本質を覗かせる映像世界を発表し続けている。そんなホン・サンス監督の長編27作目となる『小説家の映画』は、女性アーティスト同士の幸福なめぐり合いを描いた、友愛と連帯の物語。本作は2022年ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員大賞)を受賞し、ベルリンでは『夜の浜辺でひとり』(主演女優賞)、『逃げた女』(監督賞)、『イントロダクション』(脚本賞)に続き、実に3年連続4度目の受賞を果たす快挙となった。
執筆から遠ざかった小説家ジュニ(イ・ヘヨン)と一線から退いた女優ギルス(キム・ミニ)は、偶然の出会いを通じてたちまち惹かれ合い、ジュニはギルスを主役に映画を撮りたいと持ち掛ける―。主人公のふたりをはじめ、彼女たちの行く手に現れるのは、創作活動に行き詰まったり、何かに挫折した女性たち。アーティスト/表現者として成功を収めながらも、共に人知れず迷いを抱えたふたりの女性が偶然の出会いを通して、人生の新たな可能性に向かって共に歩み出していく姿を映し出し、女性たちのめぐり合い、友愛と連帯の芽生えをほのかな幸福感にくるんで紡ぎ上げた作品だ。
『小説家の映画』は、6月30日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
配給:ミモザフィルムズ
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