木島櫻谷(このしま ・おうこく)は、明治10年京都生まれの京都画壇を代表する日本画家である。同時期には竹内栖鳳、橋本関雪、山元華挙らが活躍しているが、櫻谷は動物画家として名を馳せた。櫻谷の描く動物はどことなく清廉な佇まいと優し気な瞳で、観るものを惹きつける魅力がある。さらに生涯山水画も描き続けたことも見逃せない。
櫻谷は今尾景年(いまおけいねん)の下で修業を始め、10代から暇さえあれば写生に出かけその写生帖は600冊にも及ぶ。一方、洋画家・浅井忠から西洋絵画の技術など学ぶなど、その柔軟な姿勢は作品にもあらわれている。
本展では、櫻谷が日々鍛錬を重ねた姿を垣間見ることができる写生帖が公開されるともに、代表作の《寒月》(展示期間6/3~6/18)や櫻谷芸術のエッセンスがちりばめられた《駅路之春》が公開される。さらに明治43年に創建された臨済宗南禅寺の塔頭である南陽院の本堂を飾る襖絵が東京で初めてお披露目される。見逃せない展覧会だ。
「特別展 木島櫻谷─山中夢中」
会期:2023年6月3日(土)~7月23日(日)
会場:泉屋博古館東京(港区六本木1-5-1)
開館時間:11:00~18:00(金曜は19:00まで、入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日 *7/17(月・祝)は開館、翌7/18 ( 火)休館
入館料:一般1,200円、高大生800円、中学生以下無料
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
HP:https://sen-oku.or.jp/tokyo/