伊藤若冲、曽我蕭白とともに「奇想の画家」のひとりとして近年国内外から注目を集める長沢芦雪(1754〜1799)。大阪中之島美術館で、芦雪の画業を紹介する「特別展 生誕270年 長沢芦雪 ─奇想の旅、天才絵師の全貌─」が、2023年10月7日(土)~12月3日(日)に開催される。
長沢芦雪は、写生画の祖と言われる円山応挙を師とし、江戸時代中期に京都で活躍した。見るものを圧倒する大胆な構図、奇抜な画風が特徴で、「奇想の絵師」といわれているが、屏風の中の愛くるしい仔犬は、慈愛に満ちた芦雪の人柄を表しているのではないかと思えるのだ。虎や牛など動物の描写には円山派の卓越した写実の技術がうかがえる。常に新しい表現や技法を追求し、精力的に活動した芦雪であるが、意外にも45年という短い生涯だった。多くの傑作は、200年以上を経た現在も見る者を魅了している。
なお、本展の音声ナビゲーターには、俳優の町田啓太さんが担当することになった。町田啓太さんは、一昨年に開催された『特別展 北斎づくし』のアンバサダーをつとめるなど、歴史や文化、芸術にも高い関心のある俳優さんだ。今回は長沢芦雪の人生と数々の優品を生み出した創作の背景を音声ガイドで紹介してくれる。
本展では、代表作に初公開作品も含め、初期から晩年までの選りすぐりの優品が一堂に展覧される。長沢芦雪の魅力を楽しみたい。
「特別展 生誕270年 長沢芦雪 ─奇想の旅、天才絵師の全貌─ 」
会場:大阪中之島美術館 4階展示室
会期:2023年10月7日(土)~12月3日(日) *会期中展示替えがある