本年5月公開の『それいけ!ゲートボールさくら組』に主演した藤竜也が、本作では高野豆腐店の店主・辰雄で主役を演じる。デビュー60年にして81歳を迎える藤は益々元気だ。
『高野豆腐店の春』は、監督・脚本の三原光尋のオリジナルストーリーである。三原監督と主演の藤竜也は、藤が頑固一徹な写真屋を演じた『村の写真集』(05)、年老いた中国出身の名料理人を演じた『しあわせのかおり』(06)でタッグを組んでおり、本作が3作目。もう一度藤を主役にした作品を撮りたいと考えていた三原監督は、当時興味を持っていた〝豆腐〟を題材にし、オリジナル脚本を書き始めた。できるとすぐに藤に送る。藤からは速達で「しっかりとつとめます」という承諾の返事を得たという。
戦後日本を代表する小津安二郎監督の『東京物語』(53)も、新藤兼人監督の『裸の島』(60)も舞台は尾道だった。本作も三原監督の憧れの街でもあった尾道が舞台になった。ロケハンには藤も同行。それが藤の役作りのスタイルなのだ。
明るく気立てのいい娘・春は麻生久美子が演じる。二人は26年ぶりの共演だ。また、辰雄と偶然の出会いを経て心を通わせる婦人・ふみえ役にベテラン女優の中村久美。辰雄の親しい仲間に徳井優、菅原大吉、山田雅人、竹内都子など個性豊かな役者が脇をかためる。
“大豆”と“水”と“にがり”だけでコツコツ作られる豆腐のように、淡々とした日々の生活にこそ人々のしあわせがある。親と娘のそれぞれの新たな出会いが、尾道の春風とともに、胸いっぱいのやさしさと、あたたかい涙を運んでくる。
『⾼野⾖腐店の春』は、8月18日(金) シネ・リーブル池袋、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開︕
出演:藤 ⻯也 ⿇⽣久美⼦ 中村久美
徳井優 ⼭⽥雅⼈ ⽇向丈 ⽵内都⼦ 菅原⼤吉 / 桂やまと ⿊河内りく ⼩林且弥 ⾚間⿇⾥⼦ 宮坂ひろし
監督・脚本:三原光尋
配給:東京テアトル