23.08.03 update

圧巻のステージにフランス140万人が魅了された『ダンサー イン Paris』

 

  エリーズは、パリ・オペラ座バレエ団で、エトワール(バレエ団の顔)をめざしていた。しかし、夢の実現を目前にしながら予期せぬ出来事から心が乱れ、「ラ・バヤデール」のステージでジャンプの着地に失敗、足首を痛め、医師からは踊れなくなる可能性を告げられる。

© 2022 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE – STUDIOCANAL – FRANCE 2 CINEMA Photo : EMMANUELLE JACOBSON-ROQUES

 幼い頃から支えてくれた母を亡くしてからも、ひたすらバレエ一筋の日々を送ってきたが、完治しなければ新しい生き方を探すしかない。
 そんなエリーズに、ブルターニュでの仕事が舞い込む。才能あふれるアーティストたちに練習の場を提供する瀟洒なレジデンスで、料理係のアシスタントを務めることになったのだ。そこで、今を時めく注目のダンスカンパニーと出会い、独創的なコンテンポラリーダンスが生み出される過程を目撃するエリーズ。やがて、誘われるまま練習に参加したエリーズは、未知なるダンスを踊る喜びと新たな自分を発見していく──。

 本作のセドリック・クラピッシュ監督は長年のバレエ・ダンスファンで、ダンスを題材にしたフィクション映画をつくりたいという20年来の思いが実現した。

 エリーズを演じるのは、パリ・オペラ座バレエ団のダンサー、マリオン・バルボー。映画初出演にして主演を飾ることになった。ダンスシーンに一切のスタントを使わないと決意したクラピッシュ監督が、抜擢した逸材だ。セリフなしで展開する15分のバレエシーンに多くの人が魅了された。

 さらに、クラシックバレエの決まった型にとらわれず、バレエ衣装やトウシューズも身につけないなど、自由で開放的なコンテンポラリーバレエの奇才として名を馳せるホフェッシュ・シェクターが本人役で出演する。

 舞台は、パリとブリュターニュ。アパルトマンの屋上でストレッチをするエリーズだが、そこから見渡せるパリの街並みの美しさも見逃せない。

 エリーズが挫折しながらも第二の人生を模索し立ち上がっていく姿は多くの人の胸を打ち、共感できるに違いない。あわせてクラピッシュ監督がこだわったダンスへの思いや映像美も堪能したい。

『ダンサー イン Paris』

9月15日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開

監督:セドリック・クラピッシュ 振付・音楽:ホフェッシュ・シェクター
出演:マリオン・バルボー、ホフェッシュ・シェクター、ドゥニ・ポダリデス、ミュリエル・ロバン、ピオ・マルマイ、フランソワ・シヴィル、メディ・バキ、、スエリア・ヤクーブ
配給:アルバトロス・フィルム、セテラ・インターナショナル
公式HP : www.dancerinparis.com

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