24.01.22 update

ブギウギの水上恒司が金髪のホスト役!橋本愛、仲野太賀、木竜麻生ら若手実力俳優たちが織りなす、それぞれの愛し方を描いた映画『熱のあとに』

 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13)や、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(21)で、清楚な美人女優のイメージが強い橋本愛。映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』や、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」でも正統派美青年を演じる水上恒司。なんと二人が金髪姿で血まみれになり、橋本愛がタバコを吸う姿は、のっけから衝撃的だった。

 愛するあまり、ホストの望月隼人(水上恒司)を殺しかけた過去を持つ主人公・沙苗(橋本愛)。出所し娘の幸せを願う母親(坂井真紀)の希望で見合いをした小泉健太(仲野太賀)と結婚することに。健太は沙苗の過去を受け入れ、平穏な結婚生活が始まったが、そこに足立よしこ(木竜麻生)が現れる。次第によしこと親しくなり心を許しかけていたとき、思わぬ秘密が明かされるのだった。沙苗、健太、よしこ、隼人、時を経て4人の愛はどこへ向かうのだろうか……。

 

 本作は、2019年に起きた新宿ホスト殺人未遂事件の裁判議事録を読んだ山本英(あきら)監督と、脚本家・坂元裕二に師事した韓国出身のイ・ナウォンが企画しオリジナル脚本でつくりあげた作品である。

 精神科医(木野花)に、沙苗が「私の愛ってそんなにダメですか?」と問いかける場面がある。純粋で強い愛は、いつしか精神のバランスも崩してしまう。夫になった健太は自分の思っていることを抑え、沙苗を包んでくれる存在だ。「俺が沙苗を救わなきゃ」という健太だったが、次第に疲弊していく。

 沙苗も健太のおおらかな優しさで次第に落ち着いていくようにみえたが、隼人への強い愛情はなかなか消えない。橋本は狂気的ともいえる一途な女性を、仲野も次第に沙苗のペースに乗せられ、悩める青年をうまく表現していた。

 物語のカギを握る足立よしこ役の木竜麻生は、14年に大森立嗣監督の『まほろば駅前狂騒曲』(14)でデビューし、最近では『Winny』『福田村事件』(23)など話題の作品に出演している。ミステリアスな雰囲気を醸し出しながら、存在感を発揮していた。

 観終わったあと、『熱のあとに』というタイトルも絶妙だと納得したのである。

『熱のあとに』
2月2日(金) 新宿武蔵野館 渋谷シネクイントほか全国ロードショー
配給:ビターズ・エンド
(C)2024 Nekojarashi/BittersEnd/Hitsukisha
サイト:https://after-the-fever.com/

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