24.10.24 update

奥山由之監督の想いに共感した広瀬すず、仲野大賀、神木隆之介、生方美久らが手弁当で参加。SNSで上映館も拡大するオムニバス長編映画『アット・ザ・ベンチ』

 映像作家・写真家として活躍する奥山由之監督は、変わり続ける東京の街の、変わらずに残しておきたい背景を舞台にして、とある一日の思い出の時間を紡いだ作品を作りたいと考えていた。昨年クリエーター向け動画サイト・Vimeoで『アット・ザ・ベンチ』の第1篇と2編が無料公開されると大きな反響を呼び、新たに第3、4、5編を加えて、全5編のオムニバス長編作品として2024年11月15日(金)から全国ロードショーが決まった。

 自身は、「ベンチで話している人たちを見つめるシンプルな作品だ」と語るが、キャストやスタッフが小さなチームを作り、手弁当で1編ずつ丁寧に作り上げてきたものだ。
 舞台は、東京・二子玉川の川沿いにひっそりと佇むベンチ。出演は、広瀬すず(第1編・第5編)、仲野太賀(第1編・第5編)、岸井ゆきの(第2編)、岡山天音(第2編)、荒川良々(第2編)、今田美桜(第3編)、森七菜(第3編)、草彅剛(第4編)、吉岡里帆(第4編)、神木隆之介(第4編)。
 脚本は生方美久(第1編・第5編)、蓮見翔(第2編)、根本宗子(第3編)、奥山由之(第4編)らが担当した。

 

 
 ベンチで久しぶりに再会する幼馴染の男女が、もどかしくも優しい言葉を交わす。あるいは、別れ話をするカップルに割り込むおじさん。はたまた家出をした姉とその姉を探しに来た妹。そしてベンチの撤去を計画する役所の職員たちなど、様々な人が川沿いのベンチを訪れる。川沿いの古いベンチは、人と人の出会いや別れを見守っているのだ。

 第4篇に出演する草彅剛は、「現場での撮影の仕方が今までと異なり映画の未来への可能性を感じた。これからは、ベンチを見かけると、必ずこの作品を思い出すだろう。素敵な作品に参加できてよかった」と語っている。また、1篇と5編の脚本を担当した生方美久は、「自由で朗らか、なのにハイクオリティー。最高に幸せな作品。奥山さんからお手紙のようなDMをいただき、即決。その後、初対面で、真冬に、あのベンチで、〝こんなのどうですかねー。寒いですねー〟なんて話をしながら物語をつくりました。あれから二年足らずで劇場公開。すっごくうれしい」とコメントを寄せている。2人ばかりではない。この作品に携わった総勢15名がコメントを寄せ、それぞれに〝作品愛〟が込められている。

 当初、上映館は東京と大阪の3館だけだったが、現在は全国29館へ拡大している。SNS上で公開を待ちわびるファンの声や、全国各地の劇場から熱いラブコールも多く、さらなる拡がりが期待されている。映画の制作も配給の仕方も変わっているようだ。


『アット・ザ・ベンチ』
2024年11月15日(金)よりテアトル新宿、109シネマズ二子玉川、テアトル梅田ほかにて全国ロードショー
制作・配給:SPOON
©2024 Yoshiyuki Okuyama/Spoon Inc, All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.spoon-inc.co.jp/at-the-bench/

映画は死なず

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