24.10.29 update

世界遺産「パリ・ノートルダム大聖堂」の一般公開が12月再開。文化財保護を訴求する世界巡回展がまもなく日本科学未来館にやってくる

 ゴシック建築の代表作といわれる世界遺産のノートルダム大聖堂。およそ800年前パリのシテ島に建築され、1804年にはナポレオンがフランス皇帝に即位した戴冠式も行われるなど、歴史が紡いだフランスの象徴でもある。ご存知のようにノートルダム大聖堂は2019年4月15日、高層部からの出火により、尖塔が焼け落ちるなど大きな被害を受けたが、ドローンやCG分析などの最新技術を駆使し、建築や美術品を扱う熟練工たちの技で修復が進められてきた。
 
 特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅」が、2024年11月6日(水)から日本科学未来館で開催される。
 本展は文化財保護の大切さを身近に感じてもらうことを目的として世界を巡回してきたが、科学技術に関する情報発信を行う、日本科学未来館だからこその新しいコンテンツも登場する。修復に使われた最新技術に焦点をあてた新しいタイムポータル(時空の扉)を初公開するほか、火災前後の大聖堂を比較した模型を実際に触ることができるコーナーも設置される。

 会場は、「火災─2019年4月15日一」 「夢の大建築 」「鍛冶職人」「世紀の建設─1165年頃一」「内陣一大聖堂の最も神聖な場所一 」「石工職人」「森」「西側のバラ窓 」「聖遺物 」「パリの中心部」「宗教戦争の政略結婚 」「王の誓願 」「フランス革命」「 皇帝の戴冠─1804年一 」「天才建築家の仕事」「尖塔」「修復現場におけるイノベーション」 「安全確保作業」「工事現場の専門家たち」「修復─ 2021~2024年一」 「修復現場を訪れてみましょう」 という21個のタイムポータル(時空の扉)が設けられ、ヒストパッドをかざすと、ディスプレイに当時の様子が再現されるというこれまでにない体験型のもので、その世界に入り込めるようになっている。

▲(C)パリ・ノートルダム大聖堂展 製作委員会

  

 例えば、「皇帝の戴冠─1804年─」では、ナポレオンの野心や複雑に絡み合う当時の政情が細かく表現され、絵画の観賞では味わえない臨場感がある。


 会期中の2024年12月には、ノートルダム大聖堂の一般公開が再開されることになった。新たなステージを迎える大聖堂をリアルタイムで見守りながら、文化財の歴史や未来を一層身近に感じることができるタイミングでの開催である。

▲2024年7月2日~9月2日、韓国 国立古宮博物館 展示室の様子 (C)Histovery

 
特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅」
会期:2024年11月6日(水)~2025年2月24日(月・休)[93日間]
会場:日本科学未来館 企画展示ゾーン
公式サイト:https://notredame-ar.jp/

 

映画は死なず

新着記事

  • 2024.12.03
    きわどい熟年女性の性愛表現から母の優しさまでフラン...

    『山逢いのホテルで』見どころ

  • 2024.12.03
    東京ステーションギャラリー「生誕120年 宮脇綾子...

    応募〆切: 1月20日(月)

  • 2024.12.02
    橋幸夫・舟木一夫・西郷輝彦・三田明の青春歌謡四天王...

    松竹青春歌謡映画のヒロイン 尾崎奈々

  • 2024.12.02
    大注目のボートレーサーが集結した「2025年 BO...

    応募〆切:12月20日(金)

  • 2024.11.28
    第5回【東宝映画スタア☆パレード】酒井和歌子&内藤...

    文=高田雅彦

  • 2024.11.28
    クリスタルキングが歌唱した「大都会」の唯一無二のハ...

    クリスタルキング「大都会」

  • 2024.11.27
    第55回【萩原朔美 スマホ散歩】いまどきのカバン考...

    見事な自己表現!

  • 2024.11.25
    クリスマス・イブに手塚治虫の歴史的名作が蘇る!映画...

    応募〆切:12月15日(日)

  • 2024.11.21
    「星影のワルツ」「北国の春」という2つの大ヒット曲...

    千昌夫「夕焼け雲」

  • 2024.11.20
    能登の子どもたちや被災者を、美しい音楽で励ましてく...

    被災者に勇気を与えるウイーン・フィルの活動

特集 special feature 

わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の  「芸業」

特集 わだばゴッホになる ! 板画家・棟方志功の 「芸業...

棟方志功の誤解 文=榎本了壱

VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いなる遺産

特集 VIVA! CINEMA 愛すべき映画人たちの大いな...

「逝ける映画人を偲んで2021-2022」文=米谷紳之介

放浪の画家「山下 清の世界」を今。

特集 放浪の画家「山下 清の世界」を今。

「放浪の虫」の因って来たるところ 文=大竹昭子

「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

特集 「名匠・小津安二郎」の生誕120年、没後60年に想う

「いい顔」と「いい顔」が醸す小津映画の後味 文=米谷紳之介

人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

特集 人はなぜ「佐伯祐三」に惹かれるのか

わが母とともに、祐三のパリへ  文=太田治子

ユーミン、半世紀の音楽旅

特集 ユーミン、半世紀の音楽旅

いつもユーミンが流れていた 文=有吉玉青

没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、展覧会「萩原朔太郎大全」の旅 

特集 没後80年、「詩人・萩原朔太郎」を吟遊す 全国縦断、...

言葉の素顔とは?「萩原朔太郎大全」の試み。文=萩原朔美

喜劇の人 森繁久彌

特集 喜劇の人 森繁久彌

戦後昭和を元気にした<社長シリーズ>と<駅前シリーズ>

映画俳優 三船敏郎

特集 映画俳優 三船敏郎

戦後映画最大のスター〝世界のミフネ〟

「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の流行歌 

昭和歌謡 「昭和歌謡アルバム」~プロマイドから流れくる思い出の...

第一弾 天地真理、安達明、久保浩、美樹克彦、あべ静江

故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・木下惠介のこと

特集 故・大林宣彦が書き遺した、『二十四の瞳』の映画監督・...

「つつましく生きる庶民の情感」を映像にした49作品

仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監督の信念

特集 仲代達矢を映画俳優として確立させた、名匠・小林正樹監...

「人間の條件」「怪談」「切腹」等全22作の根幹とは

挑戦し続ける劇団四季

特集 挑戦し続ける劇団四季

時代を先取りする日本エンタテインメント界のトップランナー

御存知! 東映時代劇

特集 御存知! 東映時代劇

みんなが拍手を送った勧善懲悪劇 

寅さんがいる風景

特集 寅さんがいる風景

やっぱり庶民のヒーローが懐かしい

アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

特集 アート界のレジェンド 横尾忠則の仕事

60年以上にわたる創造の全貌

東京日本橋浜町 明治座

特集 東京日本橋浜町 明治座

江戸薫る 芝居小屋の風情を今に

「芸術座」という血統

特集 「芸術座」という血統

シアタークリエへ

「花椿」の贈り物

特集 「花椿」の贈り物

リッチにスマートに、そしてモダンに

俳優たちの聖地「帝国劇場」

特集 俳優たちの聖地「帝国劇場」

演劇史に残る数々の名作生んだ百年のロマン 文=山川静夫

秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

特集 秋山庄太郎 魅せられし「役者」の貌

役柄と素顔のはざまで

秋山庄太郎ポートレートの美学

特集 秋山庄太郎ポートレートの美学

美しきをより美しく

久世光彦のテレビ

特集 久世光彦のテレビ

昭和の匂いを愛し、 テレビと遊んだ男

加山雄三80歳、未だ青春

特集 加山雄三80歳、未だ青春

4年前、初めて人生を激白した若大将

昭和は遠くなりにけり

特集 昭和は遠くなりにけり

北島寛の写真で蘇る団塊世代の子どもたち

西城秀樹 青春のアルバム

特集 西城秀樹 青春のアルバム

スタジアムが似合う男とともに過ごした時間

「舟木一夫」という青春

特集 「舟木一夫」という青春

「高校三年生」から 55年目の「大石内蔵助」へ

川喜多長政 &かしこ映画の青春

特集 川喜多長政 &かしこ映画の青春

国際的映画人のたたずまい

ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

特集 ある夫婦の肖像、新藤兼人と乙羽信子

監督と女優の二人三脚の映画人生

中原淳一的なる「美」の深遠

特集 中原淳一的なる「美」の深遠

昭和の少女たちを憧れさせた中原淳一の世界

向田邦子の散歩道

特集 向田邦子の散歩道

「昭和の姉」とすごした風景

あの人この人の、生前整理archives

あの人この人の、生前整理archives
読者の声
Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial
error: Content is protected !!