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坂本龍一が生前、東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸にした日本初・最大規模の個展「坂本龍一 ❘ 音を視る 時を聴く」12月21日~

 音楽家・アーティストの坂本龍一(1952~2023)は、多彩な表現活動を続け、常に時代の先端を切り拓いてきた。細野晴臣、高橋幸宏と坂本の3人で結成した「イエローマジックオーケストラ」では、シンセサイザーやコンピューターの自動演奏を織り交ぜたクールな音楽を世に出した。映画『戦場のメリークリスマス』、映画『ラストエンペラー』などの映画音楽では世界的な賞を数々受賞している。音楽のみならず、環境や平和問題への取り組みなど視野の広さにも目を見張るものがある。そして2000年以降は、さまざまなアーティストと協働し、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に実践してきた。

 東京都現代美術館で開催される「坂本龍一 ❘ 音を視る 時を聴く」は、生前坂本が東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸に、長年の関心事であった音と時間をテーマにした展覧会である。未発表の新作と、これまでの代表作10点あまりが大型インスタレーション作品として紹介される。

 坂本と高谷史郎のコラボレーションによる作品5点のなかでは、坂本が2011年の東日本大震災の津波で被災した宮城県農業高等学校のピアノに出会い、それを「自然によって調律したピアノ」と捉え作品化した《IS YOUR TIME》 (2017/2024)や本展にあわせて制作された《async-immersion tokyo》《TIME TIME》なども出展される。

坂本龍一 with 高谷史郎《IS YOUR TIME》2017/2023年「Ryuichi Sakamoto | SOUND AND TIME」展示風景、成都木木美術館(人民公園館)、2023年 画像提供:成都木木美術館

 

 坂本と真鍋大度とのコラボレーションによる《センシング・ストリームズ2024不可視、不可聴(MOT version)》は中庭を使って展示される。本作は携帯電話、WiFi、ラジオなどで使用されている電磁波を、一種の生態系と捉え、屋外に16mにわたって延びる帯状のLEDディスプレイを使って、常に変貌を遂げる東京の目に見えないインフラの姿を映像と音で描き出すというもの。

坂本龍一+真鍋大度《Sensing Streams 2021–invisible, inaudible》2021年 「seeing sound, hearing time」展示風景、木木美術館(銭糧胡同館)、北京、2021年 画像提供:M WOODS photography team

 
 さらに、世界各地で霧のプロジェクトを実施し、「霧の彫刻」で知られる中谷芙二子とのスペシャルコラボレーションの作品も出展される。

▲中谷芙二子《ロンドンフォグ》霧パフォーマンス #03779、2017年「BMW Tate Live Exhibition: Ten Days Six Nights」展示風景、テート・モダン、 ロンドン、英国 コラボレーション:田中泯(ダンス)、高谷史郎(照明)、坂本龍一(音楽) 撮影:越田乃梨子

 

 鑑賞者の私たちは、目と耳を使って従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは違う体験ができる画期的な展覧会である。


坂本龍一 ❘ 音を視る 時を聴く
会 期 :2024年12月21日(土)– 2025年3月30日(日)
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休 館 日: 月曜日(1月13日、2月24日は開館)、12月28日–1月1日、1月14日、2 月25日
会 場 :東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F ほか(東京都江東区三好4-1-1)
観 覧 料: 一般2,400円/大学生・専門学校生・65 歳以上1,700円/中高生960円 小学生以下無料
お問い合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
展覧会ウェブサイト :https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/RS/

 

映画は死なず

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