25.10.09 update

【秋のお出かけ情報】大人の美術館巡り①(六本木・赤坂・青山界隈)

 やっと、凌ぎやすい季節になった。ふと見上げると青く澄んだ空が広がっている。気がつけば夕方あたりは日の暮れも早くなり、虫の鳴き声が涼やかに秋の夜長に心地よい。今週末は待望の3連休。都内の美術館巡りを楽しんでみてはいかがだろう。


森美術館 「藤本壮介の建築:原初・未来・森」 11月9日(日)まで
 本年4月13日に始まった「2025大阪・関西万博」も10月13日(月・祝)に閉幕する。大阪・関西万博の象徴《大屋根リング》の設計者であり、会場デザインプロデューサーを務めるなど、いま、最も注目される日本の建築家の一人である藤本壮介(1971年、北海道生まれ)。藤本氏の活動初期から世界各地で現在進行中のプロジェクトを網羅した大規模個展「藤本壮介の建築:原初・未来・森」が森美術館で開催されている。
 展示には、模型や設計図面、竣工写真に加え、インスタレーションや空間を体験できる大型模型、モックアップ(試作モデル)なども含まれ、建築に携わる人だけでなく、だれもが藤本建築のエッセンスを体感できる、現代美術館ならではの展覧会である。

【住所】東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
【開館時間】10:00~22:00(月・水~日曜) 10:00~17:00(火曜)
【休館日】会期中無休
 https://www.mori.art.museum/jp/


サントリー美術館 「幕末土佐の天才絵師 絵金」 11月3日(月・祝)まで
 「サントリー美術館」は1961年、東京・丸の内に開館、そして2007年に現在の東京ミッドタウンに開館した。絵画、陶磁、漆工、染織など日本の古美術や東西のガラスを多数収蔵しており、年間を通して様々な日本美術を紹介する企画展が開催されている。
 近年注目されている幕末土佐の天才絵師・絵金の展覧会が開催中だ。「絵金」こと、絵師・金蔵(きんぞう・1812~76)は、高知城下で生まれ、幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風を残した。地元高知では「絵金(えきん)さん」の愛称で長年親しまれてきた。歌舞伎や浄瑠璃のストーリーを極彩色で絵画化した芝居絵屏風は、同時代の絵画のなかでも一段と異彩を放っている。10月8日( 水)からは、人形浄瑠璃で初演された後に歌舞伎に移され、今も頻繁に上演される人気の演目「義経千本桜」から「鮓屋の段」も登場。絵金の代表作ある芝居絵屏風が勢ぞろいしている。

【住所】 東京都港区赤坂9-7-4  東京ミッドタウン ガレリア 3階
【開館時間】10:00~18:00 金曜は20:00まで開館
【休館日】 火曜
https://www.suntory.co.jp/sma/


泉屋博古館東京 
特別展 「巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語(メルヘン)─現代マイセンの時期芸術─」 11月3日(月・祝)まで
 住友家の収蔵品を蒐集する公益財団法人泉屋博古館(京都市左京区鹿ヶ谷)の分館として2002年に開館。住友家第15代当主の春翠が蒐集した中国青銅器・鏡鑑をはじめ、茶道具、近代洋画・日本画、近代陶磁器、能面・能装束などが公開される、都会の隠れ家のような美術館だ。
 1960年創立250年を迎えたマイセン磁器製作所は、5人のアーティストによって新たな時代を迎えた。本展では、アーティストのひとり、巨匠ハインツ・ヴェルナー(Heinz Werner 1928-2019)が手掛けた《アラビアンナイト》《サマーナイト》《ブルーオーキッド》など多彩なサービスウェアの数々、プラーク(陶板画)などの作品が展示されている。現代マイセンの美しさに見惚れることだろう。

【住所】東京都港区六本木1-5-1
【開館時間】11:00~18:00 (金曜は19:00まで)
【休館日】月曜(9/15,10/13,11/3は開館)、9月16日・10月14日(火)
http://sen-oku.or.jp/tokyo/




国立新美術館 企画展「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」 12月15日(月)まで
 2007年に開館した、日本で5館目の国立美術館。設計は黒川紀章で、「森の中の美術館」を建物のコンセプトにしている。ガラスに囲まれた明るく開放的な館内では、国立最大級の展示スペースを生かした企画展が開催される。
 現在は、「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」 が開催中。女性のあこがれのジュエリーブランド、「ブルガリ」。本展ではブルガリの貴重なジュエリー約350点が集結し、ブルガリの革新を3章でたどる。日本で開催されるブルガリの展覧会としては10年ぶり、過去最大のスケールである。ブルガリの色彩に着想を得た現代アートやイタリアと日本の関係を表す作品も展示されている。

【住所】東京都港区六本木7-22-2
【開館時間】10:00~18:00 毎週金・土曜は20:00まで
【休館日】毎週火曜
https://www.nact.jp/exhibition_special/2025/bvlgari_kaleidos/


番外編
ANNEX AOYAMA「眠りのガーデン ―マニフレックスとヤマザキマリ展―」10月10日(金)~13日(月・祝)
 
長年マニフレックスを愛用している漫画家・文筆家・画家のヤマザキマリさんとのコラボレーション。今回のために描き下ろされた作品が、2階のイベント会場で初公開され、イタリアの暮らしに精通するヤマザキさんの世界観を意識した空間演出が展開される。
 屋外会場では、秋の柔らかな日差しの日中、緑の芝の上でマットレスに横たわって、都会にいながら自然と調和するような癒しの時間を体感。夕暮れどきは、辺りがほの暗く包まれる移ろいの中で、屋外にもかかわらずラウンジのように落ち着いた雰囲気が演出される。五感で〝眠り〟を見つめ直す、特別な時間を提供しようというユニークなイベントだ。

開催期間:2025年10月10日(金)〜13日(月・祝)
      ※初日は17:00より開場/各日10:00〜19:00(最終日のみ18:00終了)
会 場:ANNEX AOYAMA(パソナビル前)+ CONNECT GARDEN(屋外広場)
住 所:東京都港区南青山3丁目1
https://www.magniflex.jp/news/250905.html







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