25.10.30 update

ミスター・ラグビーこと平尾誠二もカラオケの十八番だった上田正樹の「悲しい色やね」は大阪弁を巧みに使った別れの名曲だ


「2025年大阪・関西万博」、正確には「2025年日本国際博覧会」が、大阪の「夢洲」で184日間(4月13日~10月13日)にわたって開催された。来場者からは相対的に満足という感想も多く、概ね成功裏に終わったといえよう。

 会場になった人工島「夢洲」は、今後2030年を目指して、カジノやホテル、国際会議場を併設した一大エンターテインメント施設と化すらしい。5年後大阪ベイエリア地区は現在と様変わりした異国の街になるのだろうか。

 大阪ベイエリアというと、思い出すのが上田正樹のヒット曲「悲しい色やね OSAKA BAY BLUES」だ。1982年10月21日リリースの本曲は、作詞・康珍化、作曲・林哲司、編曲・星勝による。康珍化と林哲司は、昭和の数々のヒット曲を生み出したゴールデンコンビである。浅野ゆう子「半分愛して」(80)が初作品で、その後、杏里「悲しみがとまらない」(83)、杉山清貴&オメガトライブ「SUMMER SUSPITION」、「君のハートはマリンブルー」(84)、「ふたりの夏物語」(84)、中森明菜「北ウイング」(84)、原田知世「天国にいちばん近い島」(84)、堀ちえみ「稲妻パラダイス」(84)、角松敏生「SINGLE GIRL」(00)などがある。

「悲しい色やね」は、大阪弁でしかも女性言葉、その上ハスキーな声で訥々とした歌唱は、一度聴いたら忘れられないインパクトの強い曲だ。夜の桟橋に車を停め、最後の会話をする男女が目に浮かぶ。別れを言い出された女性の気持ちを描いたものだろうか、自分に「泣いてはいけない」と強がるが、大阪弁で「泣いたらあかん」と堪える女性が意地らしい。標準語だと「なのだ」となる語尾を「~ねん」と言われると親しみやすく、そのうえアクセントが軽快で優しさを感じさせる。
 大阪をテーマにした曲は、「大阪で生まれた女」(BORO)、「ふたりの大阪」「大阪しぐれ」「浪速恋しぐれ」(都はるみ)、「大阪エレジー」(シャ乱Q)など数あれど、私の中では大阪ソングというと「悲しい色やね」になっていた。

 

 
 長い間上田正樹は大阪生まれだと思い込んでいたが、1949年京都市生まれだった。そしてザ・タイガースで一世を風靡し、ソロ歌手として今でもステージに立つジュリーこと、沢田研二も1948年京都市生まれだが、何と二人の家は近く年少の頃はよく遊んだ仲だったという。

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