文豪・森鴎外は三男二女に恵まれ、子煩悩な父親だった。次男・不律(ふりつ、1907~1908)は幼いうちに亡くなるが、長男・於菟(おと、1890~1967)、長女・茉莉(まり、1903~1987)、次女・杏奴(あんぬ、1909~1998)、三男・類(るい1911~1991)は、鴎外の深い愛情に包まれて成長した。1922(大正11)年に鴎外が60歳で死去した後も、子どもたち4人は生涯父・鴎外への思いを大切にしたのである。

昭和に入ると、4人は父・鴎外に関する随筆の執筆依頼を受けることになる。彼らは文学者でも陸軍軍医でもない「パッパ」を語り始めた。

文京区立森鴎外記念館で、コレクション展「鴎外と子どもたち―於菟、茉莉、杏奴、類が語るパッパ」が開催される。本展では子どもたちの随筆に見える父親としての森鴎外が紹介される。そして、於菟と杏奴から受け継いだ館蔵の鴎外遺品が、子どもたちの回想と共に展覧される。作品からは、於菟、茉莉、杏奴、類たちの愛する「パッパ」への思いが伝わることだろう。
コレクション展「鴎外と子どもたち―於菟、茉莉、杏奴、類が語るパッパ」
会期:2026年1月18日(日)~3月31日(火) 計66日間
会場:文京区立森鴎外記念館 展示室2 文京区千駄木1-23-4
休館日 :1月26日(月)・27日(火)、2月24日(火)~26日(木)、3月23日(月)・24日(火)
時間:10時~18時(最終入館は閉館30分前まで)
観 覧 料 :一般300円(中学生以下無料、20名以上の団体:240円)
*鴎外164回目の誕生日を記念して、2026年1月19日(月)は無料で観覧が可能。
○講演会「父と子」
父の子どもへの溢れるばかりの愛は、どのようなかたちとなってあらわれるのか。その愛のゆくえについて作家の太田治子さんが語る。
講師:太田 治子さん(作家)
日時:2026年2月22日(日)14時~15時30分
料金:無料(参加票と本展観覧券(半券可)が必要)
会場:当館2階講座室
定員:50名(事前申込制)
お問い合わせ:文京区立森鴎外記念館 ℡.03-3824-5511
https://moriogai-kinenkan.jp/













