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第20回紅白歌合戦で、後半戦紅組トップバッターとして華麗な変身をとげ登場した1969年歌謡界の一番の話題曲 弘田三枝子「人形の家」


 1969年の第20回NHK紅白歌合戦については、これまでも何度かとりあげてきたが、今回は、歌手の登場順に着目して紹介してみたい。2024年にもアーカイブ放送としてモノクロ版が再放送されたが、25年年末には放送100年企画としてカラー版が放送された。カラー版だと紅組女性たちのファッションが一際華やかだ。

 紅組司会を伊東ゆかり、白組司会を坂本九が、そして総合司会をNHKアナウンサーの宮田輝が務めている。ゲスト審査員には、一大〝ルリ子ブーム〟を巻き起こした浅丘ルリ子、〝海老さま〟と呼ばれた歌舞伎界のプリンス市川海老蔵(後に十二代市川團十郎)、連続テレビ小説「信子とおばあちゃん」のヒロイン大谷直子、翌年のNHK大河ドラマ「樅ノ木は残った」の主演平幹二朗、作家の佐藤愛子らが選ばれている。

 トップバッターを務めたのは紅組が大ヒット曲「池袋の夜」の青江三奈、白組がマキシコートスタイルの布施明という69年を代表する2人。前半戦大詰は、紅組は島倉千代子、白組は三波春夫の大ベテランが務めた。後半戦終盤、いよいよ大詰が近づいてきましたと紹介されるのは、人気実力ともに認められた6人の歌手だった。御三家の一人舟木一夫、日本レコード大賞受賞曲「いいじゃないの幸せならば」の佐良直美、和服姿で登場の北島三郎と三度笠姿で登場の都はるみの演歌対決、白組トリの「港町ブルース」の森進一、そして大トリは紅組美空ひばり。

 後半戦、紅組トップバッターとして登場したのは「人形の家」の弘田三枝子だった。対戦相手は御三家の筆頭である橋幸夫。弘田三枝子は二年ぶりの登場だ。〝パンチのミコちゃん〟と呼ばれたふっくらとした健康美から、ダイエットによる大幅な減量をし、見事に変身をとげ、それまでのアメリカン・ポップス、オールデイズやジャズのナンバーとはまったく趣の異なる歌謡曲路線の大ヒット曲「人形の家」をひっさげての登場だった。

 
 後半戦に入る前の応援合戦ではザ・ピーナッツ、伊東ゆかりと共にポピュラー・ヒット・メドレーとしてシュープリームス「恋はおしまい」、トム・ジョーンズ「ラブ・ミー・トゥナイト」、ゼーガーとエバンズ「西暦2525年」、フィフス・ディメンション「輝く星座/レット・ザ・サンシャイン・イン」などを披露したが、ダイナミックな歌唱、伸びのある声量、豊かな歌声は変身をとげた後も変わらない。この年の歌謡界で弘田三枝子が重要な位置を占めていたことは、後半トップバッターという大役を任せられたことが証明してくれている。

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