2016年公開の『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』 という猫と青年の友情を描いた映画に涙した方も多いことだろう。
薬物依存を繰り返し家族からも見放されていた孤独な青年は、野良状態でケガをしていた茶トラの猫と出会い運命が変わる。ホームレス支援雑誌「ビッグ・イシュー」を道端で売ったり、ロンドンの街の中でギターの弾き語りをしたり、放浪生活の青年は「ボブ」と名付けた茶トラ猫をどこへも連れて行くようになり、やがて一人と一匹のコンビは街の人気者になった。そんな青年と猫の類まれな友情の実話『ボブという名のストリーキャット』は、世界30か国以上で出版され、シリーズ累計1,000万部を突破。さらに、映画化もされ、『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』は、英国を皮切りにドイツ、オランダ、ノルウェー、アメリカ、日本でも公開され世界中の人々を希望と感動で包み、大ヒットした。その続編が、5年を経て帰ってくる。
〝世界一有名な猫〟茶トラのボブは本作でも、本猫役で登場する。ベストセラー作家となったジェームズだが、なかなか2作目が進まない。「ボブ」も犬に襲われてケガをしたり、腐ったものを食べて病気になったり、動物福祉局の役人にも目を付けられる。果たして一緒にいることが幸せなのか、苦しい選択を迫られるジェームズ。どん底の青年と猫だったが、多くの人に愛されていたのだ。路上ライブの常連客や、近所の雑貨屋の店主、慈善団体の職員の女性、ジェームズが街で助けた女性など、みんながジェームズとボブを大切に思い、手を差し伸べる人たちがいた。そんな隣人たちの優しさに胸を打たれる。
ジェームズの肩にちょこんと乗っかり、振り返られると得意気なボブが何とも愛らしい。ジェームズとボブのハイタッチは、何度か交わされるが、ほのぼのとさせられるシーンだ。
ジェームズ役は、ルーク・トレッダウェイが続投。『ベラのワンダフル・ホーム』の監督、そして俳優として活躍するチャールズ・マーティン・スミスがメガホンをとった。
しかし、重要なシーンをきちんと演じる「ボブ」の〝名演技〟に脱帽である。
観終わって優しい気持ちになれる映画である。
配給:コムストック・グループ
公式サイト:http://bobthecat.jp/
2月25日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー