ザムザ阿佐谷
「ザムザ阿佐谷」は、JR 阿佐ヶ谷駅北口から徒歩3 分、住宅街にあってビルの表面に緑の木々が覆いかぶさったような「ラピュタビル」の地下にある。天然古木の温かみのある劇場は客席の傾斜が急で、舞
台を見下ろすようなつくりだ。立派な古材の梁と土壁が他の劇場にはない雰囲気を醸し出している。「アングラっぽいお芝居の好きな方に好まれるようですね」と支配人の石井紫さん。席は129 席。座布団を敷いて座るとやや窮屈だが、演劇の他、ライブや映画の上映会、トークイベントの会場としても使われる。1 階は名画座のラピュタ阿佐ヶ谷で、映画に関する本が並び、壁には俳優のサインも。3 階にはレストラン「山猫軒」がある。
〔住〕杉並区阿佐谷北2-12-21 ラピュタビルB1 〔 問〕03-5327-7640
こまばアゴラ劇場
「こまばアゴラ劇場」は、劇団青年団の主宰である劇作家の平田オリザ氏が芸術総監督を務める。5 階建てのビルは元々平田氏の父の家を改築したもので、1 階には演劇に関する書籍が並び、ポスターや他会場のチラシなどもたくさん置かれ、演劇の情報がつぶさに入手できる。劇場は2、3 階で、舞台と客席は固定されておらず、自在に変えられる。2003 年に日本の劇場で初めて本格的な支援会員制度を導入したのは、こまばアゴラ劇場だ。会員になると、芸術監督のたてた年間プログラムをシーズン通して観劇でき、会員証の提示で、こまばアゴラ劇場、アトリエ春風舎の公演、青年団公演その他連携劇場の観劇が可能だ。年間通して50 本以上、何回でも優先的に観ることができる。年会費は30,000 円。平田オリザ氏ほか若い制作者が選定したラインナップは魅力的で、誰でも目が肥えて演劇通になれるかもしれない。
〔住〕目黒区駒場1-11-13 〔 問〕03-3467-2743
小劇場 楽園
「小劇場 楽園」は下北沢にある本多劇場グループ8 劇場のひとつで開場は2007 年。「『劇』小劇場」の向かいの地下にあり、席数は約60 ~90 席。2 方向の客席が舞台を囲む作りになっていて、同じシーンを違う角度から観劇できる面白さがある。「フラッパーズ」の企画・制作を手掛けるジョーズカンパニーは設立25 年、代表の桝川譲治さんは、かつては渋谷ジアンジアンや一昨年も劇団四季の名作「アラジン」のジャファー役などを演じる俳優でもある。以前「ココ・スマイル」は400 ~ 500 席の中劇場で公演していたが、「フラッパーズ」は、客席からも近く後ろ姿も客席から見られて緊張感を保てる劇場でやりたいと探していた時「小劇場 楽園」が見つかり、今回は5年ぶりの再演となった。学校に通いながら週2 回の練習に参加する女優の卵たちは、学業もおろそかにしないことが決まりだとか。「みんな成績良いんですよ」と桝川さん。2 つのチームに分かれた本公演は、チーム桜:工藤安奈、垂石瑚子、黒江あかり、菊池優美、竹村衣織、チーム風:橋本わかな、大野愛美、吉池鈴舞、井上沙香、綾川える、が演じた。
〔住〕世田谷区北沢2-10-18-B1 〔問〕03-3466-0903