日本で上映される機会のないフランスの最新作、あるいは隠れた名作を紹介する特集「映画批評月間~フランス映画の現在」。2025年6月、7月は、東京日仏学院でパトリシア・マズィ監督の初長編作『走り来る男』と最新作『ボルドーに囚われた女』、カンヌ国際映画祭をはじめとする映画祭や批評家たちから高く評価された日本未公開の3作品、また「知られざるヌーヴェル・ヴァーグの作家」リュック・ムレの作品を上映したが、これが大変好評で、10月からは、大阪、京都、横浜、名古屋で巡回上映されることになった。
巡回作品は、カンヌ映画祭が選んだ傑作として、
『パシフィクション』 監督:アルベール・セラ(2022年/165分)
『ゴールドマン裁判』 監督:セドリック・カーン(2013年/116分)
『歓喜』 監督:イリス・カルテンバック(2023年/97分)

パトリシア・マズィ監督特集として、『走り来る男』 (1988年/87分)、『ボルドーに囚われた女』 (2024年/108分)の2作品。パトリシア・マズィ監督は、フランス映画の中でも、ユニークで力強いスタイルを確立している。アメリカ滞在中に出会ったアニエス・ヴァルダの庇護のもと、最初の短編をつくり、ヴァルダの最高傑作と評される『冬の旅』(1985)で編集を担当。初長編監督作『走り来る男』以降、マズィは、激しい感情、あるいは断固たる決意をひめたヒロインを主人公としている。最新作『ボルドーに囚われた女』ではイザベル・ユペールとアフシア・エルジ、ふたりの偉大な女優が演じる世代、階層の異なる女性間の友情、テンション、サスペンスが見事に描かれている。

知られざるヌーヴェル・ヴァーグ リュック・ムレ特集として、上映されるのは、 『ブリジットとブリジット』 (1966年/75分)、『黒い大地 』(1961年/19分)、『ビリー・ザ・キッドの冒険』 (1971年/78分)『ウニの陰謀』 (1990年/17分)、『カップルの解剖学 』(1976年/82分)、『開栓の試み 』(1988年/15分)、『メドールの帝国』 (1986年/13分)、『映画館の座席』 (1989年/57分)、『ロングスタッフ氏の亡霊』 (1996年/20分)。「リュック・ムレは、ブニュエルとタチの両者を継承するおそらく唯一の存在だ。」 と映画作家のジャン=マリー・ストローブが高い評価をしている。フランスをはじめ世界的にカルト的な人気を誇るリュック・ムレ。コメディ、冒険活劇、西部劇、日記、ロードムービー、犯罪映画、そしてカップル、地理、文学作品を題材にした作品など、あらゆるフォーマット、あらゆるジャンルで38 本の映画を生んでいる監督である。

10 月からは、下記会場で上映が予定されている。
■シネ・ヌーヴォ(大阪) 10 月2 日(木)~10 月10 日(金)
■出町座(京都) 10 月10 日(金)~10 月30 日(木)
■横浜シネマリン(神奈川) 10 月18 日(土)~10 月31 日(金)
■ナゴヤキネマ・ノイ(愛知) 10 月18 日(土)~10 月24 日(金)
詳細はウェブサイトをご覧ください。












