22.03.14 update

「牧歌礼讃/楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン+藤田龍児」

 アンドレ・ボーシャンは、20世紀前半のフランスで、藤田龍児は20世紀後半の日本で活躍した画家です。時代も国も異なる二人ですが、作風はともに牧歌的な雰囲気に満ち、楽園を思わせる明るい陽光と豊かな自然にあふれています。藤田龍児は48歳の時に脳血栓を発病し、翌年の再発で右半身不随となりました。利き腕が動かなくなってしまった藤田は画家の道を一度は断念しましたが、懸命なリハビリを続け左手で描く画家として再スタートしたのです。

藤田龍児《啓蟄》1986年 星野画廊蔵

 一方のボーシャンはもともと苗木職人として園芸業を営み事業は順調でしたが、41歳の時に第一次世界大戦が勃発し徴兵されます。46歳で除隊した時は農園が破産し、妻は心労から精神の異常をきたしていました。ボーシャンは妻の世話をしながら、戦時中に興味をもった絵画を描き始めたのです。

アンドレ・ボーシャン《川辺の花瓶の花》1946年 個人蔵(ギャルリーためなが協力)

 彼らは恵まれた環境で作品を描いたのではなく、大病による半身不随という苦境の中で、あるいは破産した農園と病気の妻の世話という過酷な状況の中から、心を癒してくれるような牧歌的な作品を生み出しています。

 本展では両者の代表作を含む116点が展示されます。二人の作品は、私たちの心にじわじわと、しみじみと沁みてくることでしょう。


展覧会名:牧歌礼讃/楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン+藤田龍児
会 期:2022 年4 月16 日(土)~7 月10 日(日)
会場:東京ステーションギャラリー
*会期中一部展示替えがあります(前期4/16~5/29、後期5/31~7/10)
休 館 日:月曜日(5/2、7/4 は開館)
開館時間:10:00~18:00(金曜日~20:00)*入館は閉館30 分前まで
入 館 料:一般1,300 円、高校・大学生1,100 円、中学生以下無料
*障がい者手帳等持参の方は100 円引き(介添者1 名は無料)
◎最新情報・チケット購入方法はウェブサイトでご確認ください
◎新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催内容が変更になる場合があります
問い合わせ:Tel. 03-3212-2485  ウェブサイト:www.ejrcf.or.jp/gallery


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