何と!4年と9カ月を経て、まさかの〝続編〟である。
埼玉県人としては、嬉しいかぎりの〝埼玉ディス〟の幕開けである。第一作で埼玉何するものぞ、とばかりに、ピーナッツをこよなく愛し海があることだけが誇りの、わが埼玉を永遠のライバル視してきた千葉なんぞ、もはや敵ではなくなった。そればかりではない!~通行手形なくして入れなかった東京、その他神奈川、群馬、茨城、栃木の関東一円県よ、埼玉ディスで溜飲を下げているだけの能無し県よ、それ見たことか。今や東西対決に飛び火し、大阪をも腐(くだ)してみせようと埼玉解放戦線は戦うのだ。
こともあろうに、「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」「埼玉なんて言ってるだけで口が埼玉になるわ!」といった数々の埼玉ディスを連発するも埼玉の寛容さに助けられ、まさかの大ヒットで空前の埼玉ブームを巻き起こした『翔んで埼玉』がこの秋、再びスクリーンで壮大な茶番劇を繰り広げるとは!
東京都民からひどい迫害を受けていた埼玉県人は、リーダー麻実麗(GACKT)率いる埼玉解放戦線の活躍により、通行手形を撤廃させ自由と平和を手に入れた。今が好機とばかりに〈日本埼玉化計画〉を推し進める。この好機に埼玉県人の心を一つにするため、〈越谷〉に海を造ることを計画するのだ。白浜の美しい砂を求め、未開の地・和歌山へと向かうのだが……。
大海原で嵐に遭遇しあえなく船は転覆するが、漂泊し流れ着いた地は幸運にも和歌山だった。そこで巡り合ったのは隠れ滋賀県人として同じ〝ゲジゲジ〟の臭いがする滋賀解放戦線の桔梗魁(杏)との運命的な出会い。二人は手を取り合って、まず大阪制覇を挑むが、関西にも存在する〝超・地域格差〟に〝通行手形制度〟! 留守居役の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)は、たこ焼きを食べ過ぎて大阪中毒に感染し、大阪府知事・嘉祥寺晃(片岡愛之助)の恐るべき陰謀が待ち構え、やがて日本全土を巻き込む東西対決へと展開していくのだった! すべてにおいてスケールもパワーも格段にアップした本作、埼玉県人にとっては磨きのかかった〝ディス〟と〝郷土愛〟で「んなアホな!」とツッコミながら楽しめることだろう。極上のエンタテインメント、ここに誕生。ホンマでっせ!
『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』
11月23日(木・祝)全国公開
出演:GACKT 二階堂ふみ 杏 片岡愛之助 ほか
監督:武内英樹(「のだめカンタービレ」シリーズ、「テルマエ・ロマエ」シリーズ、「ルパンの娘」シリーズほか)
©2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会